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2012年2月

2012年2月27日

俯瞰

飛行機ではたいてい離陸する前から眠ってしまう。目が覚めると飛行機が着陸体制にはいっていることも珍しくない。ところが先週の出張では、2、30分で目が覚めてしまった。何気なく窓の外を見ると快晴で地上がはっきり見えたのだが、なんと自分の住んでいる地域の上空だった。あれは何川、あそこは何橋と上空からでも一目で判断できた。そこでずっと地上を見ていたら、高みにのぼればのぼるほど遠く広く俯瞰することができるようになる、という至極当たり前のことに気づいた。人生においても、高きを目指すように努力を重ねれば、世の中が良く見えるようになってくる。

 そのうち、再びウトウトして目が覚めると、今度は窓下は一面の雲だった。当然、地上は何も見えない。そこでまたハタと気づいた。高みにのぼった人でも、良からぬ取り巻きが雲のように群がり、地上を見えなくしてしまうことがある。その結果、知らず知らずに錯覚を起こし、足元を見ずに誤った判断をするようになってしまうこともある。そういえば、そのような人を過去に何人も取材したことがある。雲のような人たちは、ご機嫌を取ることだけに苦心している部下であったり、ご相伴にあずかろうとする取り巻きだったり、なかにはコンサルタントと称する人などもいる。

 これから講演だが、小生も「先生」などと言われてその気になっている場合じゃない、と肝に銘じておこう。そう考えたところで飛行機は無事に着陸した。

2012年2月20日

スクープ

五味洋治氏が文藝春秋から上梓した『父・金正日と私 金正男独占告白』を読んだ。北朝鮮では金正日氏が逝去し、三男の若い金正恩氏が「三代世襲」した。そのような中で、長男の金正男氏とのインタビュー7時間、メール150通を基に書かれた同著は、帯のフレーズの通り「世界的スクープ」といえる。

 一般的には他に先駆けたニュース(新しい出来事:以下同義)がスクープと思われがちだが、通常では会えない人を取材したり、時間をかけて事の真相に迫るインフォメーション(情報:以下同義)もスクープである。ニュースの速報性では新聞などの活字(印刷)媒体から、ラジオやテレビの放送になり、現在ではインターネットの通信へと変遷してきた。そのような中で活字が価値を発揮するのは、ニュースではなくインフォメーションである。

 ニュースの構成要素は5W1Hと言われるが、速報性だけなら「誰が」「どうした」だけでも通じる。それに対して「なぜ」「いかに」をじっくり掘り下げたものがインフォメーションと小生は解している。個別事象を取り扱っていても、インフォメーションには普遍性が含まれており、一般に共通する教訓や示唆がある。したがってニュースと違って一過性ではない。

 同著を読むと金正男氏は客観的に物事を判断できる人だと受け止めた。本人は「王子とこじき」ではないと言っているようだ。しかし、中国の思惑が背景にあることは否定できないし、資金的な裏付けも不明だが、頭が良い人だけに日本的にいえば大石内蔵助を演じているのでは? などとつい深読みをしたくなってしまう。

2012年2月13日

島が注目されている

昨年12月に発行された「日本の島全図『シマーズ』」が予想を超えて売れているそうだ。『シマーズ』は日本全国の有人島と重要な無人島、合わせて約1000島を掲載した地図である。

 さほど目立たないがスローライフや自然志向などとも相まって潜在的な島ブームが続いている。さらに尖閣諸島や竹島問題など、海底資源をめぐって国際政治の面からも国境の島に関心が集まっている。最近のニュースによると、政府も無人島のいくつかに島名をつける検討を進めているようだ。このような中で、新聞やTV・ラジオなどで紹介されたこともあって売れ行きが良いのだろう。

 小生も昨年は春に初島(静岡県熱海市)、秋には姫島(大分県姫島村)に行った。姫島は驚くほどインフラ整備が進んでおり、元大分県庁関係者に聞いたところによると、住民1人あたりの年収が県内でもトップクラスの自治体という。それでも島の活性化に取り組んでいる島民の話では、最盛期と比較すると人口は4分の3程度になってしまったようだ。

 離島に行くには交通費がかかる。それでも離島に行こうとする人たちは、時間と費用は覚悟の上だから良い。問題は島の活性化のために特産品の販路を拡大しようとする場合、物流費がネックになっていることだ。離島の物流を考える研究会でも立ち上げてはどうだろうか。

(「日本の島全図『シマーズ』」=日本離島センター編集・発行、500円+消費税)

2012年2月 6日

今年はうるう年

月の初めに2月のカレンダーをめくったら、2月なのに29日まである。そうだ、今年はうるう年だったのだ。そこでスケジュール表を見ると、土日も含めて2月は1日も休めそうにない。うるう年を意識することもなく予定を書き込んでいたのだが、結局、例年の2月よりも仕事が1日多いというだけではないか。

 1月も忙しかった。出張の予定は比較的早く分かるので、新幹線は陽の射し込まない窓側の席を予約するのだが、急遽、予定時間を早めなければならなかったりしたので、直前に列車を変更したため陽の射す窓側の座席になった。当日は曇天だったので窓を開けたまま、ぼんやりと外を眺めていてハッと気づいた。いつもと違う風景が流れていくからである。いつも通っているはずなのに、右側と左側では風景がこんなにも違うということを改めて知った。

 何事もそうだが、慣れとは恐ろしい。こんなものだと思い込んで決めつけてしまっている。時には違う角度から見つめてみることが大切だ。

 そこで、4年に1日しかない2月29日は、この4年間をまったく異なった視点から見つめ直し、さらにこれからの4年間を展望する日にしたらどうかと思う。もっとも、かくいう自分には、そんな余裕はないのだが。

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