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2012年2月27日

俯瞰

飛行機ではたいてい離陸する前から眠ってしまう。目が覚めると飛行機が着陸体制にはいっていることも珍しくない。ところが先週の出張では、2、30分で目が覚めてしまった。何気なく窓の外を見ると快晴で地上がはっきり見えたのだが、なんと自分の住んでいる地域の上空だった。あれは何川、あそこは何橋と上空からでも一目で判断できた。そこでずっと地上を見ていたら、高みにのぼればのぼるほど遠く広く俯瞰することができるようになる、という至極当たり前のことに気づいた。人生においても、高きを目指すように努力を重ねれば、世の中が良く見えるようになってくる。

 そのうち、再びウトウトして目が覚めると、今度は窓下は一面の雲だった。当然、地上は何も見えない。そこでまたハタと気づいた。高みにのぼった人でも、良からぬ取り巻きが雲のように群がり、地上を見えなくしてしまうことがある。その結果、知らず知らずに錯覚を起こし、足元を見ずに誤った判断をするようになってしまうこともある。そういえば、そのような人を過去に何人も取材したことがある。雲のような人たちは、ご機嫌を取ることだけに苦心している部下であったり、ご相伴にあずかろうとする取り巻きだったり、なかにはコンサルタントと称する人などもいる。

 これから講演だが、小生も「先生」などと言われてその気になっている場合じゃない、と肝に銘じておこう。そう考えたところで飛行機は無事に着陸した。

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