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2012年3月

2012年3月26日

経済的独裁

東電の経営者には違和感を覚える。4月からの企業向け料金値上げ通告をめぐって、契約期間が切れるまでは顧客の同意が必要であるにも関わらず、その点には故意に触れなかったとしか思えないようなやり方をしていた。なぜ、このようなことを平然とするのだろうか。

 30年ほど以前のことだが、東電に勤めていた友人が小生の職場を訪れたことがあった。近くに来たので都合が悪くなければ久しぶりに会いたい、といった程度の来訪である。その時、若い部下を連れていて、紹介された。その後しばらくして友人たちが集まって飲む機会があった。すると、あの時の若い部下は東大卒で、いずれは自分の上司になる、と苦笑していたことを思いだす。

 このように東大卒がたくさんいる東電に入社するには難易度が高い。その中で役員にまでなった人たちはエリート中のエリートである。だが、経営能力はたいして要らないし、誰にでも経営できるのではないかと思う。 昨年暮れには、値上げは義務であり権利でもある、といった発言もあった。激しい競争にさらされている企業の経営者が堂々とそのような発言をしたのなら「立派な経営者だ」と称賛されるだろう。しかし、地域独占が許されていて、しかもコスト積み上げ方式で料金を設定できる東電のトップの発言としては、認識を疑わざるを得ない。

 これからも地域独占を保証するのであれば、100%の国営にした方がよほど良い。株式会社で行くのであれば、競争原理を導入すべきだ。

 ところで、「ライフラインを守るために必死に努力しているのに、なぜ批判されなければならないのか」などと、自分たちが被害者であるかのように錯覚してはいないでしょうね。あれっ、どこの話をしてるんだっけ?

2012年3月19日

経験という価値の下落

この時期になると上場会社など大手企業の新社長の発表が増える。最近の傾向をみると、オーナー経営ではない大手企業でもトップの年齢はバブル崩壊以前と比べるとかなり若くなっているようだ。

 バブル期までは、サイクルとしての好不況はあっても、トレンドとしては経済が拡大していた。景気波動はあっても、経済構造としては連続性があり、経験という価値が高かったのである。したがって高齢の経営者の経験が生きた。

 だがバブル崩壊によって経済構造は大きく転換した。国内市場は停滞ぎみとなり、経済のグローバル化が進展した。そこで国際感覚をもった経営者へと交代が進んだが、グローバル化はそれ以前から進行していたので、その点ではまだ連続性があったことになる。そこで経験という価値はまだ高値を維持できた。

 ところが最近では、グローバル化に加速がつき、一方では国内市場の縮小が顕著になってきた。グローバル化と国内市場の縮小というこの傾向は、今後、一そう速度をましながら進行していくだろう。

 問題は国内市場の縮小である。これは戦後の日本が経験したことのない未知の世界だ。つまり非連続である。そうなると経験という価値は、無にはならないが以前よりも下落する。新しい発想や柔軟な対応力をもった若い経営者の方が良い。社長の若返りはそのような反映ではないか。

 と、すると小生もそろそろ引退か? いや、それは困る。一般論として述べたのであって、何事にも例外はある。柔軟性が重要なゆえんだ。

2012年3月12日

2つの3月11日

昨年の3月11日は愛知県みよし市にいた。同地でも大きく揺れたが本震までの時間が長かったので、震源地は遠いと判断した。新幹線が多少は遅れるかもしれないという程度の認識で情報確認をしなかったのである。

 ところが、名古屋までは通常通りだったが、新幹線がまったく動かないので、初めて事態の重大さを知ったのである。結局、10時間以上かかって12日の深夜2時過ぎに新宿の事務所まで何とかたどり着いた。自宅に帰らず事務所で仮眠しようと思ったのだが、書類などが散乱していてかたずけるのに時間がかかり、横になったのは東の空が白むころだった。

 あれから1年が過ぎたが、被災地の復旧・復興はほとんど進んでいない。予算の問題や、関連する法律の所轄官庁の違い、がれき処理の受け入れ自治体が少ないなど、様ざまな問題はある。しかし、これらは与野党が協力すれば短期間に解決できないことではない。それこそが「政治主導」というものだ。もっとも政治家らしい政治家がいない現状では、「政治主導」を求める方が間違っているのかもしれない。

 東日本大震災の衝撃があまりにも大きかったので、この1年間すっかり忘れていたことがある。この原稿を書いていたら、3月11日は当社(有限会社物流ジャーナリスト倶楽部)の設立記念日だったことを思いだした。自分1人だけの会社だが、設立が1997年3月11日なので今年が15周年である。それにしても法定福利費や消費税の支払いなど四苦八苦の15年だったが、よく倒産せずにやってこれたものだ。

2012年3月 5日

甘言は疑え

AIJ投資顧問のニュースが連日、大きく報道されている。同社に資金運用を委託していた企業年金は84で、受給者と現役加入者を合わせると約88万人に影響が出るというのだから、大きな問題だ。

 現在の金融市場をみれば高利回りの資金運用などムリなことは誰にでも分かるはず。そのような中で同社だけなぜ高利回りが可能なのか。冷静に判断すれば、疑問に思うのが普通であろう。

 AIJに運用を委託していたトラック運送関係の厚生年金基金はけっこうあるようだ。しかし、東北六県トラック厚生年金基金は同社に疑問を持って1年弱(2005~2006年ごろ)で委託を止めた。そもそも同基金では、リスク分散のために1カ所に多額の資金運用を委託するようなことをしていないという。したがって金額は少なかったようだが、AIJへの委託を止めた理由は、「こちらからの質問に対する説明の中で1、2点、不透明感があったから」だという。基金自身が多くの加入者から金を預かっているのだから、受託者責任がある。納得のいく説明が得られなければ、加入者から預かった大切な資金を委託することはできない、という理由で資金を引き揚げたようだ。

 何ごとにおいてもそうだが、甘い話はまず疑ってかかるべきだ。疑問を持って検証し、真贋を見極める。擬い物ならそれまで。本物と認めたところから本当の信頼が始まる。

 それにしても小生は、一攫千金を夢みる今日このごろである。

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