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2012年4月 9日

瓦礫処理

復興状況などの取材で東北に行ったが、被害地は復興どころかまだ復旧もあまり進んでいないのが実態だ。まず瓦礫を処理しなければならないが、それすら遅々として進まない。瓦礫処理の受け入れを表明する自治体も各地で少しずつ出てきたが、地元住民の反対で受け入れ拒否も少なくない状況にある。

 青森、岩手、宮城、福島のトラック協会では、被災して廃車処分にした車両を補てんする場合には補助金を出す制度を設けている(制度内容は協会によって異なる)。各県とも昨年の秋以降から補助金申請が少しずつ出てくるようになったが、3月末現在でみると、廃車した車両数に比較して申請数はかなり少ない。地元発の荷物がないからだ。工業製品では震災前までほぼ回復した荷主企業もあるが、工場を海外にシフトするケースもあり、全体としては荷物が減少している。沿岸部の地場産業である水産加工では、復興の見通しがたっていない荷主企業が多く、水産加工品の出荷は極めて少ない。

 このようななかで、被災した車両の補てんとしてダンプに切り替えるような事業者もいる。瓦礫輸送だけでも4、5年はかかるという予測もあり、新車を購入しても償却できるという考えのようだ。しかし、新車の生産は追い付かず、中古ダンプの値段も上昇している。

 皮肉なことだが、瓦礫処理の受け入れを表明している自治体が少ないために、ダンプの需給バランスがとれている、といった見方もできる。

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