出会いと別れ
今年は全国的に気温が低いため、桜の開花が例年より遅い。東京では今週末ぐらいが見ごろになるのではないだろうか。
10年ほど前になるが、ある地方に出張に行ったとき桜が満開だった。県庁所在地の大きな駅に降りて、多少時間に余裕があったので駅前の歩道橋をゆっくり歩いていると、地元のラジオ局の人から「桜が満開ですが、桜の花からどんな言葉を連想しますか」とマイクを向けられた。そこで「出会いと別れ」と答えたら、若いインタビュアーは「えっ、」といって次の言葉がすぐに出てこなかった。想定外の答えで、すぐには理解できなかったのだろうと思われる。
小生は茨城県の常総地方の生まれ育ちだ。その年の気候によって桜の開花は多少ずれるが、満開になるのはだいたい3月下旬から4月の初めである。卒業や転勤による別れ、入学や新社会人としての新たな出会いの時期である。
心が浮き立つような満開の桜、パッと散ってしまった後の寂寥感。華麗な花吹雪は一瞬で過ぎ去り、そのあとには散乱した花弁が土に同化するのをじっと待っているかのようだ。まさに宴の後である。
このように生まれ育った地域性もあるのだろうが、小生には、桜は人生の出会いと別れを象徴する花というイメージが強い。
なお、「物流コラム」と称しているので義務的に付け加えれば、この時期が引っ越しシーズンのゆえんでもある。
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