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2012年6月

2012年6月25日

怪しげな人?

 小生は15年余にわたって1人で仕事をしてきた。いちおう有限会社にはしているが、実質的にはフリーである。そこで、フリーライターと書いて「ライ」をとったらフリーターなどと、ことあるごとに笑い話にしてきた。もちろん半分は冗談だが、半分は本当である。「ライ」を漢字の「頼」に転換すれば当てはまるのだ。原稿の依頼や講演の依頼など「頼」まれごとがなければ、生計が成り立たない。

 先日、ある人から「よく怪しげに思われないね」と言われた。その時は、多くの人から怪しげに思われているでしょう、と答えた。これまで自分ではとくに考えたことがなかったので、そう言われてみるとたしかに怪しげかも知れない、と思ったのである。

 その後、よく考えてみたら、ある傾向に気づいた。それは、これまでコンタクトのなかった人に初めて電話をした時などである。「物流ジャーナリスト倶楽部の森田です」と言うと、たしかに胡散臭そうに受け取られることがある。社名ではなく、ただの物流ジャーナリストの方が通りが良い。また、森田だけではなくフルネームの方が相手の反応が良いという傾向がある。

 下のお名前は? と問われることもしばしばで、フルネームを言うと名前だけは知っています、とか、ひょっとしてあの森田さんですか、などと言われる。何かに掲載されていたのを読んだことがある、といってくれる人もある。そんなこんなで、初めての電話で取材を申し込んでも、ほとんどと言ってよいほど応じてもらえる(今はまだ話せないので取材は数カ月後にしてほしい云々といったことはあるが)。そのため怪しげ? なことを自覚していなかったのである。

 そもそも法人にしたのは、最初はフリーでは認知されないだろう、と思ったからだった。そして物流ジャーナリスト倶楽部という社名にしたのも、いずれ物流ジャーナリストで通るようになったら、倶楽部をとるだけなので簡単だと考えたからだった。

 15年余で、所期の目的に少しだけ近づいたことになる。

2012年6月18日

クーリングオフ

 どうやら今週中に「消費税増税」が国会で決議されそうな情勢だ。政治の世界は「一寸先は闇」と言われるので、このコラムを書いている時点で断言することはできないが、ほぼ消費税増税が決まるものと思われる。ここでは消費税増税の是非については述べない。プロセスが変なのである。

 たとえば通販会社から商品カタログ(マニフェスト)が送られてきたとする。気にいった商品があったので注文し振り込みもした(投票した)。ところがカタログに載っていない全く違う商品(マニフェスト違反)が送られてきたので、注文した商品とは違うと通販会社に連絡した。すると、注文された商品は流行遅れになっている(状況が変化した)、それよりも当社が送った商品は社運を賭けて(政治生命を賭けて)開発した商品なのでより優れている、と言われてしまった。そこで、だったらキャンセルするから振り込んだ代金を返してほしい、といっても全く応じようとしない。クーリングオフ(解散総選挙)して改めて新しいカタログ(マニフェスト)を送ってくれたら買うかどうか(投票)を考えるといってもダメである。

 これが民間の商取引なら犯罪ではないだろうか。ところが( )内の世界では「決められる政治」と言うらしい。

 もっとも小生は最初にカタログを見た時に、インチキくさい通販会社だと思ったから何も買わなかった(投票しなかった)。なお、小生が発行している会員制情報誌「M Report」の2010年1月号で、「景気回復も不透明で『マニフェスト不況』も考えられる」と指摘しておいた。

2012年6月11日

大震災・原発事故の現実

  先週は福島県二本松市に行った。東日本大震災と原発事故の発生から1年3カ月が過ぎたが、二重の被害の影響はいまだに継続したままである。

 訪問した運送事業者では、大震災の直後に、これまで取引のなかった地元の工場からの緊急輸送の要請に応えたことで、レギュラーの仕事の一部も受託するようになった。あるいは、崖が崩れて住宅が落下しそうな状態の中から、家財などを搬出する「引越」の仕事を頼まれた。しかし、家の中に人が入ると家ごと崩れ落ちるかも知れない。そのような危険性の高い仕事も断ることなく、家財を搬出して避難先に届けたこともあった。この危険な中での仕事ぶりを、たまたまその住宅を建てた大手建築会社の役員が見ていて、称賛されたという。

 震災で崩壊したままの現場や、仮設住宅なども車の中からみたが、それだけでも被害の大きさをあらためて実感した。今回、訪ねた運送事業者の社員のなかにも被災者はいる。社員の1人は、家を新築して数日後に大震災に見舞われ、壁にヒビが入るなどの被害にあったという。また、ある社員は毎日、自宅で放射能を測定している。避難指定などされていない地域だが、測定値から判断すると危険な状況にあるという話だった。

 1泊して翌朝、地元紙をみると二本松市のイノシシやツキノワグマから、食品新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を上回る放射性セシウムが検出されたという記事がでていた。ちなみにイノシシが1キロ当たり301ベクレル、ツキノワグマからは420ベクレルが検出されたとあった。

 以上はほんの断片的な見聞だが、東日本大震災と原発事故はいまだに続いている。

2012年6月 4日

めぐりあわせ

 数日前に古くからの知人からメールがきた。最近の会社の経営状況やご本人の近況などとともに、弟さんについても簡単に記されていた。ここ1年数カ月の間、連日のようにニュースで取り上げられている某社に勤務しているが、今回、社外からの取締役が多数になる中で、社内からの少数の取締役の1人に内定したという。出身大学からみても将来は役員になるだろうと筆者も以前から予想はしていたが、現実のものとなった。普通ならお祝いすべきだが、はたして喜ぶべきかどうか...。実兄としては複雑な心境と書かれていた。

 企業の人事には、運・不運といっためぐりあわせがある。たとえば大手企業の支社で過去の不祥事が露見したとすると、それが何代も前の支社長当時の問題であっても、現在の支社長が批判や追求の矢面に立たされ、何らかの責任を取らざるを得なくなる、といったことがある。現在の支社長からすれば不運なめぐりあわせと受け止めるしかない。

 トラック運送業界でも経営者の若返りが進んでいる。何月から社長を交代するとか、2年後あるいは3年後に子息に社長を譲るとかといった話を事前に聞くことがある。あるいは、この前会った時には専務だった人が、最近会ったら社長になっていた、というケースも珍しくない。そんな時には、「おめでとうと言うべきか、大変だねというべきか」といってお互いに笑うことがある。

 いまは経営環境が厳しい時代である。今後はさらに企業のかじ取りが難しくなってくるだろう。そのような中で経営トップになるのは大変なことである。オーナー経営の企業では、ほとんどの場合、子息に社長を継がせるのが既定路線といえる。しかし、困難な時代に社長を継承する方にとっては、これも宿命と受け止めるしかないだろう。

 どのような時代、どのような諸条件の下でも、めぐりあわせの中で全力を尽くすしかない。

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