大震災・原発事故の現実
先週は福島県二本松市に行った。東日本大震災と原発事故の発生から1年3カ月が過ぎたが、二重の被害の影響はいまだに継続したままである。
訪問した運送事業者では、大震災の直後に、これまで取引のなかった地元の工場からの緊急輸送の要請に応えたことで、レギュラーの仕事の一部も受託するようになった。あるいは、崖が崩れて住宅が落下しそうな状態の中から、家財などを搬出する「引越」の仕事を頼まれた。しかし、家の中に人が入ると家ごと崩れ落ちるかも知れない。そのような危険性の高い仕事も断ることなく、家財を搬出して避難先に届けたこともあった。この危険な中での仕事ぶりを、たまたまその住宅を建てた大手建築会社の役員が見ていて、称賛されたという。
震災で崩壊したままの現場や、仮設住宅なども車の中からみたが、それだけでも被害の大きさをあらためて実感した。今回、訪ねた運送事業者の社員のなかにも被災者はいる。社員の1人は、家を新築して数日後に大震災に見舞われ、壁にヒビが入るなどの被害にあったという。また、ある社員は毎日、自宅で放射能を測定している。避難指定などされていない地域だが、測定値から判断すると危険な状況にあるという話だった。
1泊して翌朝、地元紙をみると二本松市のイノシシやツキノワグマから、食品新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を上回る放射性セシウムが検出されたという記事がでていた。ちなみにイノシシが1キロ当たり301ベクレル、ツキノワグマからは420ベクレルが検出されたとあった。
以上はほんの断片的な見聞だが、東日本大震災と原発事故はいまだに続いている。
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