風刺問答「兵站は平坦にあらず」
軽薄学生=国境の島が騒がしくなってきましたね。韓国の大統領が竹島に行くなんて驚きました。
裏読先生=物事は裏を読まなければいかんよ君。韓国の大統領は、他国の領土でもかってに施設をつくって人を常駐させてしまった方が有利、まごまごしてると尖閣諸島も竹島の二の舞になってしまうぞ、と警鐘を鳴らしてくれたのかも知れない。しかも、国内では自分の人気回復にもなるという戦略的行動という見方もできる。だが、ちょっと乗り過ぎた発言もあったな。
軽薄学生=そんな裏読みもできるのですか。さっそく香港の活動家たちが魚釣島に上陸しましたね。不法入国ですぐに逮捕されましたけど。
裏読先生=あれだって裏があるかも知れない。保釣行動委員会は、香港の民主派を中心に発足した団体なので、中国政府には批判的な勢力といわれている。船の購入費は親中派の実業家が出したという話もあるし、活動資金など分からない面もあるが、一応、民主派なら中国政府とは距離をおく組織といえる。今年3月の香港行政長官選挙でも中国政府の介入などが云々されたように、一国二制度とはいってもジワジワと中国政府の支配が強まりつつあることに危機感をもち、日本を経由して亡命しようとしたのかも知れないという勘ぐりもできないわけじゃない。
軽薄学生=尖閣諸島に上陸するといえば、白昼堂々と日本領土に入れるし、逮捕(保護)してもらえるという筋書きですか。
裏読先生=とりあえず強制送還にしたが、「決められる」総理なのだから、これをキッカケに、政治生命をかけて尖閣諸島に駐在所を設置する作戦だろうという声もある。さらにオスプレイは垂直離着陸ができるから、滑走路のない尖閣諸島でも配備できるという高度な戦略的意図も日本政府ならもっているだろう。
軽薄学生=すると竹島も尖閣もこの間の一連の動きは、日本政府が裏で描いたシナリオということですか。深謀遠慮とはこのことですね。日本には外交戦略や防衛戦略などがないと思っていましたが間違いでした。深く反省します。ところで、これは「物流コラム」ですよね。物流の話が全然出てこないのですが。
裏読先生=もっと勉強をしたまえ。尖閣諸島にお巡りさんが常駐するようになれば、必要物資をいかに効率的に補給するかがテーマになるだろう。
軽薄学生=それこそロジスティクス。まさに兵站ですね。やっと理解できました。
裏読先生=兵站を極めるのは、けっして平坦な道ではないということも肝に銘じておきなさい。
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