ダイヤモンドの40光年長距離輸送
最近の明るい話題といえば、なんといっても山中伸弥教授のノーベル賞受賞であろう。
ところでネットを検索していたら、AFP=時事の配信記事の中に、「ダイヤモンドの惑星」を発見したというニュースがでていた。要約すると、地球から40光年の距離にある「かに座55番星e」と呼ばれる惑星で、大きさは地球の約2倍、質量は8倍だが、その表面はグラファイトとダイヤモンドで覆われている可能性が高く、米エール大学のニック・マドゥスダン博士研究員の分析によると最大で総質量の3分の1がダイヤモンドの可能性があるという。詳しくは英学術誌「Astrophysical Journal Letters」(10月11日)に仏米合同チームの論文が発表されているそうだ。
ダイヤモンドをこの惑星から地球に持ち帰ってくることはできないか。まず、40光年という距離の問題だが、ネットの記事では「地球からわずか40光年の距離」と書いてあったので、人類の技術の進歩でいずれは往復できるようになるだろう。次には有人飛行の場合、乗組員の寿命という問題がある。これも山中教授をはじめ世界の研究者の努力でiPS細胞研究がもっと進めば、何とかなるはずだ。第3は、この惑星は恒星との距離が近いために、地表の平均温度が摂氏2148度もあるというが、それだけの高熱に耐えられる素材の開発でクリアできるだろう。
このようにして、宇宙という舞台であらたな「ゴールドラッシュ」が始まる。すると地球に持ち帰るという物流需要が生まれ、世界中の物流事業者が参加してコンペが行われる。はたして、どこが仕事を取るやら?
だが、地球の8倍もある質量の3分の1がダイヤモンドとすると、地球に運んできても置き場所がないどころか、地球の質量よりも大きいことになってしまう。それに、ダイヤモンドは希少だから価値があるので、地球上がダイヤモンドだらけになったら価値は大暴落。すると40光年という長距離輸送のための運賃負担力もなくなってしまうことになる。
ノーベル賞を受賞したiPS細胞の研究は現実的な嬉しい話題だが、ダイヤモンドの惑星発見は際限のないロマンをかきたてるという意味で嬉しい話題である。
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