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2012年10月 8日

態勢強化し攻勢に

 ある上場企業の経営者とお会いし、昼食をはさんで3時間ほど雑談した。この間にも会合などで顔を会わせることはあったが、あらためて話し合うのは1年半ぶりである。久しぶりということもあって、話題は多岐に及んだ。リーマンショックから見えてきた世界経済の構造的特徴など大きな枠組みの分析から、経済のグローバル化が進行するなかでの同社の海外事業の現状や、国内市場縮小という未知の経営環境下における企業戦略など、様ざまな話を聞き、また、筆者の意見も述べた。

 国内の事業展開では子会社を再編成して、ちょうど今年度下期から新体制をスタートさせたばかりである。子会社のなかには赤字の会社もあった。それには様ざまな事情が関連しているが、基底的な要因は国内市場の縮小である。そこで1年数カ月前から体制の再編成に着手し、10月1日から新体制にしたのである。企業(グループ)の態勢強化を図り、これからは攻勢に転じるのだという。当然、M&Aなども必要になるが、中小事業者を傘下に組み込む手法などについても議論した。

 今後、国内のパイは小さくなっていく。すると競争とはシェアの拡大を意味する。他社の顧客を奪わなければ現状維持すらできない。まして企業を成長させるとなると、市場縮小による自然減を補填するだけでなく、それ以上に他社の領分を獲り込まなければならないのである。そのような競争の時代になってきた。

 たまたまなのだが、すでに故人になられた同業の上場会社の社長が住んでいたマンションの1階にある日本料理店で昼食をとった。そこで故人の思いで話などにもなった。店のお上によると、奥さんも引っ越されてしまったという。さらに話は、ご自身の今後の身の処し方(来年6月の役員改選)にまで及んだ。それはともかく、国内市場の縮小が進行するなかで、社内の態勢を整えてシェア拡大という攻勢に転じる。どの企業にとっても共通する課題ではないだろうか。

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