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2012年11月19日

社員は社長の姿を等身大に映す鏡

 年末選挙に向かって政界は走り出した。なんと10以上の政党があり、とても全部の党名を覚えきれない。公示までにはさらに離合集散が予想されるので、これから短期間に新たな政党名が出現する可能性もある。これでは投票する側も大変だ。しかし、政党名は即座に思い出せなくても、党首の顔をテレビなどでみると、どの政党を離党して少数で新党を立ち上げた誰々だ、と分かるから不思議なものである。やはり党首は党の顔といえる。

 ところで、政党に限らず組織はすべてトップに行きつく。企業はとくにそうである。なかでもオーナー経営の会社は、トップそのものがストレートに会社のイメージ、企業体質として現れる。物流業界にはたくさんの企業があるが、その会社の社員をみると、経営者の性格や姿勢がみえてくる。三段論法的に表現すれば、「その社長にして、その会社あり」。「その会社にして、その社員あり」。よって「その社長にして、その社員あり」となる。これが、いくつもの企業を取材しての実感である。

 そこで初めて取材で訪問する会社では、アポイントを取ってある社長や専務などの経営者に会う前に、できるだけ社員に声をかけてみる。可能ならば現場で働いている人が良い。運送企業ならドライバーやフォークリフト従事者などである。その応対で、従業員教育やサービスのレベルまである程度は把握できる。来客を事務所で応対する人なら接客に慣れているのは当然だ。重要なのは全社にどれだけ浸透しているかである。

 社員に対する愚痴程度なら普通だしまぁ良い。だが、ごく稀にではあるが自社の社員を悪くいう経営者もいる。そもそも筆者はそのような経営者には取材を申し込まないが、何かの会合などであった時に、そのような話を耳にすることがある。これは聞いている方も嫌な気分になってくる。そして、天に唾するとはこのことだ、と思ってしまう。なぜなら、社員は社長の姿を等身大に映している鏡だからである。

 大事なお客さんに会う前に、鏡を見て衣服が乱れていれば直す。それと同じように、社員は鏡に自分自身が等身大に映っている姿と思えば、社外で社員を悪く言う前に、悪い点を直すという行動にでるはずだ。

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