物流はなくならないが変化する
最近、急に寒くなってきた。11月なのだから、これが普通なのだろうが、夏から一気に冬になってしまったような感覚である。
急に寒くなるとコンビニではおでんが売れるのだという。立教大学の高岡美佳教授に聞いた話である。高岡教授は流通システム論が専門で、国交省のトラックビジョンでご一緒していたが、数日前にあらためて講演を聞く機会があった。
流通の変化などに関しての話だったが、いま売上が落ちている小売は、百貨店やスーパー、ホームセンターなど店舗面積が大きくて店舗数の少ない業態という。それに対して伸びているのは、コンビニなど店舗が小さく、店舗数が多い業態である(コンビニももうすぐ飽和状態になり、合従連衡が始まるだろうという話だった)。また、店舗をもたない通販も伸びている。
ところで、コンビニでも宅配をする店舗が増えており、ファストフード店でも宅配をするようになりつつある。通販はもとより、ネットスーパーなど宅配市場は今後、拡大していくだろう。
ということで、やはり数日前に別のセミナーで、高崎商科大学の梶田ひかる特任教授の話を聞いた。梶田教授とは日通総研におられた当時に何度かお会いしていて15、6年ぶりである。話によると2000年ごろからネット通販の研究を続けているという。通販に物流は不可欠だが、ネット通販と物流サービスについての講演だった。
筆者のこれまでの取材でも、BtoC-ECの物流システムはまだ確立されていない。宅配便事業者は通販の荷主で取扱数量を増やしているが、それは配送と決済代行という業務においてである。もちろん配送と決済だけをみれば、当面は宅配便事業者をエッセンシャル・ファシリティとして利用するのがベターであろう。だが、物流センターの管理・運営なども含めたトータルな業務では、BtoC-ECの物流システムは模索の段階といってよい。将来は専用ネットワークを構築する事業者が出現する可能性もある。
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