一度は言いたかった「ダメなんです!」
この3年余の間、一度は言ってみたかった言葉がある。それは「2位ではダメなんです!」。
先の総選挙では自民党が圧勝し、与党の民主党は大幅に議席を減らした。政策的なことは抜きにして、自民党が単独過半数を占めた選挙制度上の一番の理由は、ほとんどの小選挙区で勝ったからである。3年余前に、1位でなければなぜダメなんですか、といった方がいたが、小選挙区では1位でなければダメなんです! まさかこの期に及んで、2位ではなぜ当選じゃないんですか、とはいわないだろう。
だが、今度の選挙は問題点というよりも、小選挙区制の怖さを実感した。比例代表並立制でなく、もし総てが小選挙区制で、全選挙区で2人しか立候補者がいないと仮定したら、51%の得票率で全議席を独占する可能性もある。立候補者が2人だけということはないだろうから、50%以下の得票率で全議席を与党が占め、野党は1議席もないという事態もあり得る。
しかも議院内閣制なので与党の党首がほぼ自動的に総理大臣になる。党首を選ぶのはその党の党員であり、党外の人間がとやかく言う筋合いではない。だが、その党首が総理大臣になってしまうという制度には納得いかない。
ずっと昔、村田英雄さんが歌った「王将」のなかに、「あの手この手の思案を胸に 破れ長屋で今年も暮れた」(西條八十作詞、船村徹作曲)という一節がある。小生も、選挙制度も議院内閣制も、ここらで抜本的に再検討すべきではないか、などと思案しながら今年も暮れようとしている。もっとも、「愚痴も言わずに...」のフレーズは全く当てはまらない。反対に、だからダメなんです! と叱られそうだ。
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