あれから2年
このコラム(内容的にはブログかもしれない)は月曜日の更新である。今回は3月11日が月曜日になった。
3月11日といえば2年前の今日、東日本大震災が発生した。あれからすでに2年が経った。時の流れは実にはやいものだ。被災者の人たちの多くは現在も厳しい毎日を送られている。だが、世の中を見渡すと悲惨な記憶が風化しつつあるのではないかという観がある。
この間、岩手県、宮城県、福島県それに茨城県の沿岸地域など、大震災の被災地に何度か行った。小生の場合は物流事業者への取材である。そこで感じるのは、運、不運というのは紙一重なのだな、ということである。本当に僅かの差で助かったり被災したりと、大きく分かれてしまう。
たとえば、ある事業者の場合、トラックの駐車場の敷地内に多少の高低差がある。そこで低い方から高い方にトラックを移動したら、何の被害も受けなかった。同じ駐車場の敷地でも低い方に止めたままだったら、タイヤの下ぐらいまで海水が押し寄せていたという。
また、もう一つ感じるのは、「禍福は糾える縄の如し」とか、類似した意味だが「人間万事塞翁が馬」ということである。被災して大きな被害を受けたが、すぐに立ち直ることができた事業者と、なかなか難しい事業者がいる。短期間に再興できた事業者を取材してみると、先の諺が当てはまる。
ある事業者は、津波で事務所が全壊し、70%以上のトラックが流されてしまった。しかし、今年2月に訪ねた時点では、中古車だが元の台数にまで回復していた。そして仕事を増やそうと思えばあるのだが、人手が確保できないためにトラックを増やしていないのだという。詳細は割愛するが、災害発生の半年ぐらい前に、偶然の成り行きであることをしていたのだが、それが短期間での復旧、復興を可能にする基盤になっている。
ともかく、あれから2年。悲惨な記憶と教訓を忘れてはいけない。そう、そう。忘れてはいけないのが、もう一つあった。3月11日は当社を設立した日でもある。
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