グローバル化とトラック輸送
先日、FM NACK5の「今日の押さえDOCO!」というコーナーで電話コメントした。このFM放送のエリアは関東地方ということだが、さすがにマス媒体は反響が違う。翌日には何人かの方から「聴いたよ」という電話が入った。
テレビやラジオ、週刊誌などがコメントを求めてくるのは、たいていトラックがらみの交通事故、飲酒運転問題、燃料価格高騰、自然災害や事故などによる物流停滞、その他、あまり好ましくない事態が起きた場合が多い。そこでライブなのか収録なのか、報道のコンセプト、さらに番組のキャスターが誰かなどによって要請に応じるかどうかを判断している。たいがいは断るケースの方が多い。今回はライブで、ダブルナンバーによるシャーシの日韓相互通行についての解説ということだったので、応じることにした。
日中韓では2006年から2年に1回のペースで物流大臣会合(日本は国土交通大臣)を開いている。昨年7月の会合では「シャーシの相互通行」について、日韓では実施を協議する、日中では実施の可能性について研究することを合意した。この合意に基づいて日韓では昨年10月10日から日本通運のシャーシ20台の韓国での通行が開始され、今年3月27日からは天一定期貨物自動車のシャーシ1台(あと3台を準備中)の日本での通行が始まった。
日韓の道路を通行するので、両国の関係法令に適合したウィングシャーシである。ナンバーも両国のナンバーをつけたダブルナンバーだ。日産自動車九州と釜山のルノーサムスン自動車の拠点間を部品輸送する。コンテナ船とRORO船の船賃の違いなどもあって、関係者の話では輸送コストはコンテナ輸送とほぼ同じという。しかし、荷役作業の効率化などでコンテナ輸送よりもリードタイムが短縮でき、荷主の拠点の在庫も大幅に削減できる。
国土交通省によると、今後も具体的な案件についての相談があれば、韓国の国土海洋部と実施の方向で協議するという。このように、一部ではあるが日本の道路を韓国のトラックが走行し、日本のトラックが韓国の道路を走行するようになってきた。当面は日韓両国間だが、グローバル化が進めば、その他の国のトラックも日本の道路を走行するようになってくるだろう。島国日本のトラック輸送といえどもグローバル化のなかでの事業展開を考えていかなければならないような時代になってきた。
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