アピールの方法
前回は、全日本トラック協会と都道府県トラック協会が開いた「燃料価格高騰経営危機突破全国総決起大会」について、「少なくとも自分が知る範囲ではテレビも新聞も決起大会のニュースを流さなかった(確認していない媒体で報じているかも知れないが)」と書いた。
後日、報道状況をチェックしている人に確認したところ、放送したテレビ局もあったという。ただし、自分が見ていない時間帯のニュースだった。これも前回書いたが、メインの時間帯のニュースでは、株価暴落のニュースに時間を割いたので放送できなかったようだ。また、新聞も主要な全国紙は報道したという。自分が読んでいる新聞では気づかなかったので、版が違ったのかも知れない。引用した文脈から分かる通り、このようなことを想定した書き方をしておいたので間違いではない。だが、確認が不十分だったことは否めない、と反省する。
話しは16年前にさかのぼるが、1997年9月19日にロシアのサンクトペテルブルクに本社がある大手物流会社を訪ねた時のことである。同社のゼネラルマネージャー代理の人が、夕方から同業者の会合があって、トラック・ストライキの打ち合わせをするという話をしてくれた。この企業は陸海空の国際物流と国内輸送をしているが、ストライキの理由は国際トラック輸送の問題だった。
簡単に記すと、①国産トラックは性能が低いので外国のトラックを購入すると関税が高い、②国内の法人税率が高い、③国土が広大なので外国のトラックが通関を経ないで荷物を運んでくる、④国内の荷主も帰り荷として関税を通さない外国のトラックに運ばせている、⑤真面目な事業者は通関に時間がかかり闇ルートのトラックの方が輸送時間が短縮できる、など公平・公正な競争が阻害されている。そこで関税委員会と話し合い、解決策が見いだせなければ、6000台のトラックを動員してモスクワの環状道路の通行をストップさせるのだという。
日本の場合にはトラック・ストライキは難しいとしても、トラック・デモならできないことはないだろう。日常業務に支障のない範囲でトラックを動員する。トラックにはスローガンを書いた幕をはり、政令指定都市の道路を「法定速度」で走行する。論理矛盾だが、法定速度を厳守する「順法走行」だけで道路が渋滞するはずだ。そうすればテレビや新聞も大きく報道するだろう。
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