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2013年6月10日

自立した個の集団

 サッカー日本代表がオーストラリア戦で引き分けて、5大会連続のワールドカップ出場を決めた。テレビ中継を観ていたが、昔と比べると隔世の感がある。30年ぐらい前まではW杯といっても海外ニュースの一つに過ぎないような感覚だった。それが20年ぐらい前にはアジア予選を突破してW杯に出場することが具体的な目標になった。だが現在では、W杯出場が決まってもやっとスタートラインに立てたという感じで、ベスト8やベスト4が現実的な目標になっている。日本のサッカーのレベルも向上したものだ。

 W杯出場を決めた翌日、監督、選手が出席して開かれた記者会見をテレビのニュースで観た。その中で、同点PKを決めた本田圭祐選手が、日本の強みはチームワークだが、最後は個で試合を決することがほとんどなので、どのようにして自立した選手になるように個を高められるかが重要だ、といった主旨の発言をした。本田選手が言わんとすることは、自分なりに理解できる気がする。

 これは日本の企業やその他の組織にも当てはまるのではないだろうか。これまではチームワークの力だけで戦ってこれた。組織のトップやリーダー的な立場の人たちにとっても、そのような社員(構成員)は扱いやすい。終身雇用や年功序列もそのような土壌の上で成り立っていたのではないだろうか。だが、好むと好まざるとに関わらずグローバル化が進んでくると、チームワークの力だけでは通用しなくなってくる。自立した個で構成される組織でないと勝ち残れないのである。

 ともかく本田選手から発せられた「チームワーク」や「個」や「自立」といった言葉を聞いて、新鮮さと懐かしさの両方を同時に覚えた。昔むかしの話になるが、依存関係史論などに多少だが触れたことがあった。自分にとって、自立した個によって構成されるアソシエーションは、若いころの理想であり憧れだったからだ。しかも、それは過去完了ではない。いまでも自分の精神世界で追い求めている永遠の夢である。

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