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2013年7月

2013年7月29日

環境変化と慣れ

 Eメールがおかしくなってしまった。OCNなのだが、サーバーへの不正アクセスによってパスワードが流出した可能性がある、というメールがあった。その関係なのかどうかは分からないが、ちょうどそのころからメールが従来通りに開けなくなってしまったのである。

 テクニカルサポートセンターのフリーダイヤルに何度も電話をしたのだが通話中でつながらない。しかたがないので、あれこれ操作しているうちに、それまでとは違うフォーマットだが、ともかくメールが使用できるようになった。このような時、IT音痴は本当に困る。

 メールが開かなくなった時、仕事で連絡を取らなければならないような相手には電話をした。ところが、「すみません。メールの調子がおかしいので電話しました」と、いちいち電話した理由を説明したのである。電話で話をするのに、メールが使えないからと釈明する必要はないはずなのだが、電話するのが何となく相手に対して悪いような後ろめたい気持ちになってしまう。あとで考えたら、おかしな錯覚である。

 Eメールを始めたのは約15年前だ。あまり乗り気ではなかったのだが、仕事の関係上やむをえなかったからである。最初のうちはメールで相手にちゃんと伝わっているかどうかが不安で、電話で確認するようなこともあった。ところが、いつの間にかメールでのやりとりが当たり前の日常になってしまった。いまではどうしても電話で話さなければならないような場合を除くと、お互いにメールで一方的にすましてしまう。

 なかには携帯電話を持たない、という人もいる。自分の信念を貫くのは良いし、自由なのだが、待ち合わせをした時など相手からすると不便である。昔はそれが普通だったのだが、環境が変わると、本人は自分のポリシーなのだから良いとしても、まわりの人たちが大変な思いをすることになる。

 メールも同様だ。そこまで拘束されたくないという気持ちはあるのだが、自分1人だけで生きているわけではない。とくにコミュニケーションは他者との間で成り立つものである。そのコミュニケーションのツールも時代と共に変わってきた。苦痛ではあっても、時代の変化に対応しなければならない。

 それにしても、慣れとは恐ろしいものだ。

2013年7月22日

他人の畑に種まき?

 全国各地を周っていると、面白い話を耳にすることが多い。もちろん、物流業界の人たちからの話である。「物流コラム」としているのだから、少しは業界に関することも書かなければならない。そこで今回は軽い笑い話を紹介しよう。

 その1...トラック協会の正規の支部とは別に、同じメンバーが年間6万円の会費を出し合って運営している任意団体の「支部」がある。定期的に集まって親睦を図ったりしていて結束が固いという。
 その地域には大手製造会社の工場があるが、その工場の仕事を地元の事業者はしていない。このメーカーから製品(原材料)を購入している別の製造業の物流子会社が、その工場の仕事を一括して安く請けることになった。物流子会社はどこでもそうしているように、地元の事業者を下請けとして運ばせるために入札を行った。ところが、その地域の事業者は1社も応札しなかったという。
 別に「談合」したわけではないのだが、結果的には誰も入札に参加しなかったのである。困ったのは物流子会社である。どこでも仕事欲しさに安い運賃で応札してくる事業者がいるのに、当てが外れてしまった。結局、自社で運ぶことになったようだが、「採算が取れないだろう」と言うのが、地元の事業者の見方である。

 その2...他社で成功している仕事をみると、簡単に儲かるだろうと次から次へと同じような仕事を始める事業者がいる。その経営者に、ある事業者が「なぜ、そんなに新たな仕事に参入するのか」と訊ねた。すると「将来のために、いろいろと種蒔きをしている」と答えたという。
 そこで質問した事業者は、「将来のための種蒔きは良いが、他人の畑に種をまくのはまずいだろう」と言ったのだそうだ。

 この手の話はたくさんある。取材の主旨からは外れるが、雑談もまた楽しい。

2013年7月15日

狛犬

 6月に続き、先週も札幌に行った。札幌で時間に余裕がある時には、たいがい中島公園を散歩することにしている。1カ月ぶりの中島公園である。

 20年以上前になるが、空き時間があったので中島公園をふらりと訪ねたのが始まりで、それ以来、札幌に行った時には可能な限り散歩するようになった。札幌の中心街から近いし、なぜか雰囲気が好きなのである。とくに、地下鉄南北線の幌平橋駅とテニスコートに挟まれた辺りで、ベンチに腰掛けて水の流れを見つめているのが好きだ(その辺まで中島公園なのかどうかは分からないが)。四季折々の風情があり、ポプラの花が終わって綿毛つきの種子が舞っているような季節などは、北海道に来たという気持ちになってくる。

 たまたま先週は中島公園の近くのホテルでセミナーがあった。14時から1時間半ほど話すようにというオファーだったので、12時少し前に中島公園に行き、札幌コンサートホール内のレストランで昼食を摂って、1時間ほど公園内を歩いて周った。

 テニスコートに行く手前に札幌護国神社がある。いつもは護国神社には寄らないのだが、なぜか今回は自然に足が向いた。「一位の松(?)」を写真に撮り、札幌護国神社と書かれた門に近づいて行くと、高齢の婦人が2人立っていた。その婦人の1人が声をかけてきて、「この狛犬を良く見てあげて下さい」と言う。

 正面に向かって右側の狛犬は口をあけているが、左側は口を閉じている。左右の狛犬はそれぞれ違う人が制作し、左側の口を結んでいる方の狛犬を創ったのが、その婦人の祖父なのだと説明された。久しぶりに札幌に来たような話で、もう1人の婦人は地元に住んでいる友人の様だったが、2人連れ立って久々に祖父が制作した狛犬に会いに来たという。「これも何かのご縁と思い、祖父が創った狛犬をよく見てあげて下さい」と声をかけてきたのである。

 年齢からすると孫がいるだろうと思われる方たちである。通りすがりの小生にも話しかけるぐらいだから、おそらく自分の子供や孫にも、機会あるごとに祖父が制作したのだと話しているに違いない。そのようにして世代は引き継がれて行くのだろう。 

 それにしても、形のあるものを後世に残せるような人は幸せだな、と思った次第である。

2013年7月 8日

参議院選挙真っ最中

 ある企業の話である。この間、ずっと業績不振が続いていた。そのような中で約半年前に社長が交代した。新社長は次つぎに新たな方針を打ち出した。そして、一部の社員を可愛がり、その社員たちを引き連れて連日のように夜の町に繰り出すようになった。社長から誘われるメンバーはホクホクである。「昨日の夜はどこどこで御馳走を食べた」とか、「2次会は楽しかった」とか、社内ではそんな話題でもちきりになった。いっさいお誘いを受けない社員たちすら、羨ましい気持ちをもちながらも、そのうち自分もご相伴にあずかれるかもしれない、という淡い期待や雰囲気が社内に漂うようになってきた。

 社長いわく「わが社は長い低迷から抜け出して、私が社長になってからは業績が着実に上向いてきている。諸君の給料を上げるまでには多少のタイムラグがあるが、現在の方針で進めば大丈夫だ。わが社が発展するには、この道しかない」。そして、会社をさらに発展させるには様ざまな分野に打って出る必要があるので、会社の定款を変えたいという。いろいろな社内プロジェクトも立ち上げた。その中には、会社の競争力を強化するためには柔軟な労使関係が前提になると就業規則を見直すプロジェクトもある。

 ところが、一部の社員たちだけに大盤振舞していた費用は、業績が良くなったから捻出できたのではなかった。ただ借入金を増やして得た金だったのである。新社長になってから、借入金が大幅に増え、業績が回復するどころか、財務内容が悪化し経営はより危機的状況になっていたことが判明した。そこで社長は辞任に追い込まれ、ご相伴にあずかっていた一部の社員たちは、社長に誘われたから付いて行っただけだと言い訳した。

 今度は社長に批判的な立場だった役員を中心に、社員が一丸となって経営再建に取り組むことになった。この間に大きく増加した借入金は、連夜のお誘いには無縁だった社員たちや、これから入社してくる人たちが働いて返済していくことになる。

 あれ、「参議院選挙真っ最中」というタイトルで書くつもりだったが、全然、違う話になってしまった。ところで、財務省によれば「国の借金」は2012年度末で991兆6011億円(国民1人当り779万円)。2013年度末には1000兆円を超える予測のようだが、参議院選挙の争点にはあまりなっていないように感じる。

2013年7月 1日

値上げ模様

 会う人ごとに「太ったんじゃない」と言われたり、逆に「少し痩せたね」と言われたり...。人によって様ざまな見方があるものだ、と思うことがある。10年ほど以前と比べると、現在は11㎏ほど体重を減らした。しかし、ここ5年間ぐらいは±1㎏ほどの振幅で体重が増えたり減ったりなので、アベレージとしてはほぼ一定だ。毎日、体重を計測していて、少し太り気味と思えば自分に警鐘を鳴らし、食事に気をつけたりしてコントロールしているからである。

 したがって10年ぶりぐらいに会った人から「瘠せたね」と言われるのは当然である。しかし、数カ月に1度ぐらいの頻度で会っている人から太ったとか瘠せたとか言われるとシックリしない。まさか1㎏程度の差が外見上でそんなにハッキリ現れるとは思えないからだ。

 最近は様ざまな商品で値上げが発表されたりしている。原材料を輸入して製造している商品や、製品として輸入販売されている商品では、円安の影響で値上げせざるを得なくなってきたからだ。原材料や商品そのものではなくても、燃料価格の高騰にともなって製造原価が上がったために値上げする、といったケースもある。ともかく販売価格が値上がりすれば誰の目にもハッキリわかる。

 ところが一見、分からないような値上げもある。物流を取材していると様ざまな実態が見えてくる。最近、物流事業者の何社かから聞いた話では、小売の販売価格は同じでも容量を少なくするようなケースが増えてきているという。たとえばプラスチック容器に入れて販売されている商品などで、仕入れ値が上がれば同じ容器に詰める数量を減らす。購買者は容器が同じで中身がわずかに少ないくらいなら、あまり気づかない。むかしは仕入れ値が上昇すると、同じ容器と数量で販売価格を上げた。しかし、最近は売値を一定にして数量を増減するのだという。

 このような話を聞くと、値上げが発表された商品だけではなく、何も言わないが実質的に値上げしている商品もあることが分かる。これらを詳しく調べると、今年に入ってから実際の小売物価はけっこう上昇しているのではないかと思われる。

 自分も体重は同じでも外見は太って見えたり、あるいは見た目が痩せたりしているのかもしれない。体重計では容姿までは計れないのである。

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