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2013年7月15日

狛犬

 6月に続き、先週も札幌に行った。札幌で時間に余裕がある時には、たいがい中島公園を散歩することにしている。1カ月ぶりの中島公園である。

 20年以上前になるが、空き時間があったので中島公園をふらりと訪ねたのが始まりで、それ以来、札幌に行った時には可能な限り散歩するようになった。札幌の中心街から近いし、なぜか雰囲気が好きなのである。とくに、地下鉄南北線の幌平橋駅とテニスコートに挟まれた辺りで、ベンチに腰掛けて水の流れを見つめているのが好きだ(その辺まで中島公園なのかどうかは分からないが)。四季折々の風情があり、ポプラの花が終わって綿毛つきの種子が舞っているような季節などは、北海道に来たという気持ちになってくる。

 たまたま先週は中島公園の近くのホテルでセミナーがあった。14時から1時間半ほど話すようにというオファーだったので、12時少し前に中島公園に行き、札幌コンサートホール内のレストランで昼食を摂って、1時間ほど公園内を歩いて周った。

 テニスコートに行く手前に札幌護国神社がある。いつもは護国神社には寄らないのだが、なぜか今回は自然に足が向いた。「一位の松(?)」を写真に撮り、札幌護国神社と書かれた門に近づいて行くと、高齢の婦人が2人立っていた。その婦人の1人が声をかけてきて、「この狛犬を良く見てあげて下さい」と言う。

 正面に向かって右側の狛犬は口をあけているが、左側は口を閉じている。左右の狛犬はそれぞれ違う人が制作し、左側の口を結んでいる方の狛犬を創ったのが、その婦人の祖父なのだと説明された。久しぶりに札幌に来たような話で、もう1人の婦人は地元に住んでいる友人の様だったが、2人連れ立って久々に祖父が制作した狛犬に会いに来たという。「これも何かのご縁と思い、祖父が創った狛犬をよく見てあげて下さい」と声をかけてきたのである。

 年齢からすると孫がいるだろうと思われる方たちである。通りすがりの小生にも話しかけるぐらいだから、おそらく自分の子供や孫にも、機会あるごとに祖父が制作したのだと話しているに違いない。そのようにして世代は引き継がれて行くのだろう。 

 それにしても、形のあるものを後世に残せるような人は幸せだな、と思った次第である。

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