他人の畑に種まき?
全国各地を周っていると、面白い話を耳にすることが多い。もちろん、物流業界の人たちからの話である。「物流コラム」としているのだから、少しは業界に関することも書かなければならない。そこで今回は軽い笑い話を紹介しよう。
その1...トラック協会の正規の支部とは別に、同じメンバーが年間6万円の会費を出し合って運営している任意団体の「支部」がある。定期的に集まって親睦を図ったりしていて結束が固いという。
その地域には大手製造会社の工場があるが、その工場の仕事を地元の事業者はしていない。このメーカーから製品(原材料)を購入している別の製造業の物流子会社が、その工場の仕事を一括して安く請けることになった。物流子会社はどこでもそうしているように、地元の事業者を下請けとして運ばせるために入札を行った。ところが、その地域の事業者は1社も応札しなかったという。
別に「談合」したわけではないのだが、結果的には誰も入札に参加しなかったのである。困ったのは物流子会社である。どこでも仕事欲しさに安い運賃で応札してくる事業者がいるのに、当てが外れてしまった。結局、自社で運ぶことになったようだが、「採算が取れないだろう」と言うのが、地元の事業者の見方である。
その2...他社で成功している仕事をみると、簡単に儲かるだろうと次から次へと同じような仕事を始める事業者がいる。その経営者に、ある事業者が「なぜ、そんなに新たな仕事に参入するのか」と訊ねた。すると「将来のために、いろいろと種蒔きをしている」と答えたという。
そこで質問した事業者は、「将来のための種蒔きは良いが、他人の畑に種をまくのはまずいだろう」と言ったのだそうだ。
この手の話はたくさんある。取材の主旨からは外れるが、雑談もまた楽しい。
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