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2013年9月16日

ネット通販と物流

 13日、14日と東京海洋大学を会場にして開催された日本物流学会全国大会に参加した。今回は30周年で、13日の記念大会シンポジュームのテーマは「ネットワーク社会を支えるロジスティクス」だった。また、14日は第1会場の統一・自由論題の多くがネット通販と物流に関する発表だったので、それらの研究発表を拝聴した。

 ネット通販と物流に関しては今年に入ってから7月末まで、ネット通販会社や物流事業者を取材してきた。8月の下旬には原稿を書き上げて、その後、出版社との出版交渉をし、11日にやっと出版できることになったばかりである。タイトルについては今後、編集者と検討をして決めることになるが、12月上旬(早ければ11月下旬)には白桃書房から出版する予定だ。

 ネット通販と物流に関する本を書きたいと思ったのは、5、6年前である。ネット通販が川中・川下の物流を変えることになるだろう、という漠たる予感がしたからだ。そこで4年ほど前に実際に取材を開始したのだが、全く先が見えなくて取材を中断した。その1年後にも取材を再度始めたのだが、やはり止めてしまった。取材を進めても、何をどのようにとらえれば良いのか、切り口が全然みえないのである。しかし、昨年の夏ぐらいから大手ネット通販会社の物流インソーシング化や当日配送化への動向が活発化した。それと同時に、宅配便会社も当日配送体制の構築に着手する動きが始まってきた。そこで、今年に入ってから三度、取材を開始したのである。

 しかし、レギュラーの仕事に加えてイレギュラーで入ってくる仕事をこなしなが、その合間を縫っての取材である。これらの仕事を消化しないと収入がなくなってしまう。単行本の作業は、取材費や時間などの出費だけで、当面は収入には結びつかない。これは組織に属さないのだから仕方のないことである。そこで、取材に時間がかかってしまった。

 取材に時間がかかった理由はもう一つある。それはネット通販各社の広報コントロールだ。正面から取材をするとなると、広報を通して取材の趣旨にあった立場の人をセットしてもらうことになる。しかし、各社とも広報規制が厳しく、聞き出せる内容も限られる。突っ込んだ内容の取材にはストップがかかる。それに事前に原稿を見せることを条件にされることが多い。それではカタログ集になってしまう。

 そこで、仲介者を通して、取材ではなく個人的な意見交換というかたちでお会いした方がたがほとんどである。そのために取材に時間がかかったのだが、このような事情が逆に幸いし、社名や個人名は出せないが、内容的には自由に書くことができた。問題はどれだけ売れるかである。

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