トラック不足の影響が自分にも
今年の年末はトラック不足で物流に影響が出ているようだ。リーマンショック後の長引く景気低迷で、減車が進んでいたからである。
スポット的な需要にも即対応できるように、遊休車両を何台かもっていたような事業者でも、「維持するためのコスト負担が厳しくなってきた」。また、大型車による長距離輸送から撤退する事業者も増えてきた。燃料価格の高騰も一因だが、それ以上にコンプライアンスの問題が大きい。とくに労働時間、拘束時間など、厳格に法令を順守すると長距離輸送での1人乗務はムリである。だが、2マンでは採算がとれない。
このように減車傾向が進行していたが、ここにきて多少は荷動きが活発化してきた。ところが今度は人手不足である。ドライバーを募集しても、応募者が少ない。少子高齢化など人口構造上の問題もあるが、それだけではなく中型免許の影響も否定できない。2t車でも普通免許で運転できる車両は少なく、ほとんどは中型免許が必要である。そうなると高校新卒者を採用しても2年間は乗務できる車両が限定されてしまう。普通免許で乗務できる車両を1台も保有していない事業者の方が多いのではないだろうか。
このようなことから、平常月よりも荷物が多くなる年末は、トラック不足現象が起きる。来年3月には、年度末の荷物の増加だけではなく、消費税増税前の駆け込み需要もあるので、年末よりもトラック不足が顕著になるのではないか、と予想される。
ところで、このトラック不足が自分自身にも影響してこようとは思ってもみなかった。前々回に12月中旬に『ネット通販と当日配送~BtoC-ECが日本の物流を変える~』という本を白桃書房から出版すると書いたが、急遽、1月発売に変更したのである。12月中旬に取次に渡しても、今年の年末は物流の混乱が予想され、地方によっては書店への配本が年明けになってしまう可能性がある。それなら、いっそのこと発行日を2013年12月ではなく2014年1月にして年明けに取次に出して配本した方が営業的には良い、というのが出版社の営業担当者の意見だった。たしかに1カ月の違いで、発行日が13年から14年になる。そうしようということで延期したのである。
年末にはトラック不足になる可能性があるなどと、書いたり話したりしていた。だが、まさか自分自身がその影響を受けるとは思ってもみなかったという次第である。
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