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2014年3月10日

引っ越しシーズン

 引っ越しシーズンだ。4月からの新年度を控え、3月中旬から4月上旬にかけては引っ越しをする人が多い。

 地方から大都市の学校に入学するために、単身で引っ越しをする人。反対に、大都市の学校を卒業して出身地にIターンする人や、違う都市の会社に入社する人たちがいる。新入学や卒業、就職にともなう転居は、満開の桜の花のような、心浮き立つ希望に満ちた引っ越しであろう。

 また、大きな会社では新年度に定期的な人事異動がある。企業の人事異動も景気に左右されるようだ。景気が悪いと人事異動が少なかったり、あるいは自宅から通勤可能な範囲内での異動が多くなる。景気が良くなると人事異動が多くなり、また、異動も広域的になる傾向があるという。今年は景気が回復基調にあるために、例年に比べて人事異動が多いと予想される。新しい赴任地に家族そろって引っ越す人もいれば、家族を残して単身赴任する人もいる。家族単位か単身かをとわず、いずれにしても企業の人事異動に伴う引っ越しがこの時期には集中する。

 このように年間を通して最大の引っ越しシーズンの到来である。全日本トラック協会によると、春休みの時期は、年間の引っ越し需要の約3分の1が集中するという。例年でもそれだけの引っ越しが集中するのだが、今年は特に件数が増える可能性がある。先述のように景気の回復基調にともなって企業の人事異動が例年より増えるのではないか、というのが理由の一つである。さらに消費税増税前の住宅購入などにともなう引っ越しも考えられる。

 このような需要予測に対して、サービスを供給する側はどうか。例年でも引っ越し事業者は、この時期、自社だけでは対応できないので、引っ越しをしていない同業のトラック運送事業者の協力を仰ぐ。ピーク時に合わせて車両や人員を揃えておくわけにはいかないからだ。ところが今年は、一般の輸送でもトラック不足が深刻になっている。そのため、協力を要請された運送事業者もトラックを回せるだけの余裕がない。

 このトラック不足の最大の理由は人手不足にある。ドライバーが確保できないことによるトラック不足なのだ。さらに引っ越しの場合にはドライバーだけではなく、荷物の梱包や搬出、転居先での搬入や開梱などの作業員が必要である。この作業要員の確保も難しい状況にある。

 このようなことから引っ越し事業者たちは、引っ越し希望日の分散化を要請している。

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