大型連休
東洋の東の端にある日本という国では、いま大型連休の真っ最中らしい。連休には無縁な小生としては、まるで他人事であり、羨ましい限りである。そこで屈折した心情を披露することにした。
圧倒的多数の人たちは、4月からの消費税増税分を大幅に上回るベースアップになったし、大型連休を満喫できるのだから幸せというべきである。ところで、高速道路などが混雑するこの期間に、なぜ皆がそろって出かけるのだろうか。労働時間も短く、有給休暇もたくさんあって自由に休みがとれる先進国の国民のはずなのに...である。
カレンダーどおりに飛び石で休むよりは続けて休んだ方が生産性が良い業種もある。反対に観光業や飲食店、小売店などは連休中が稼ぎ時である。一方、非正規社員の人たちは時給制や日給制だろうから、休日が多いほど収入が少なくなるので、大型連休は有難迷惑ではないだろうか。それでは困るというので、連休中が稼ぎ時という業種でアルバイトをしている人もいるだろう。おっと! 非正規社員の人からすれば、どちらがアルバイトで、どちらが本業か判断が難しい。
ところで、大型連休中も日本の実態経済はどんどん良くなっている予定だった。ところが最近、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資金で株価を上昇させ、見せかけの景気回復を演出しよう、といった動きがでてきたようだ。GPIFは国民の年金という大切な資金なので、安定運用のために過半の資金を国内債券に回し、国内株式や海外株式は少ない比率に押さえている。ところが現政府は、この資金で国内株式を買い増すことで、一時的な株価上昇を図ろうと考えているようだ。それだけ資金運用のリスクが高くなる。
数年前に、高利回りをうたい文句にした投資顧問会社に多くの資金運用を任せたために、多額の資産を消失した年金基金があったことはご記憶だろう。今度はそれと似たようなことが基礎の部分で起きてくる可能性があるが、誰が責任をとるのだろうか? おそらく受給者にツケがまわってくることになるだろう。
家族連れで大渋滞に巻き込まれている皆さん。皆さんが年金を受給するような年齢になった時、渋滞でイライラしていたころの方が良い時代だった、などと回顧することになるかも知れませんよ。
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