ブラジルW杯と東京五輪
日本列島は北海道を除いて「雨季」に入った。ほとんどの地域で例年より早く、また、今年は長引きそうである。この時期は体調もスッキリせず、精神的にもうっとうしい季節が当分続くことになる。そのような中で、今週の12日から7月13日まで、サッカーのワールドカップが開かれる。「雨季」の沈滞的な気分を晴らしてくれるような、日本代表の快進撃を期待したいものだ。
W杯はブラジルの12の都市で試合が行われるが、国土が広いので選手は試合会場の移動だけでも大変だろうと思う。予選のグループリーグを突破するのは簡単ではない。だが、決勝トーナメントに進出して、できるだけ勝ち上がってほしい。
ところで、サッカー王国といわれるブラジルだけに、開催地として盛り上がっているだろうと思っていた。ところがテレビや新聞のニュースによると、W杯開催に反対するデモなどが繰り広げられている。先日、テレビをみていたら、W杯に多額の金をつぎ込むよりも、その予算を医療や教育などに回すべきだ、というのが反対の理由のようだ。その番組で病院などの映像をみたが、たしかに反対にも一理あると思った。
2020年には東京でオリンピックとパラリンピックが開かれる。国立競技場の建て替えなどに関しては、日本でも反対意見がある。だが、もっと根本的な問題としては、東京オリンピックは首都圏への一極集中を加速する、ということだ。首都圏以外の地域での人口減少などを一そう促進することになるだろう。
そのことに気づいて、東京オリンピックの開催が近づいたら、現在のブラジルと同様に、オリンピック開催に反対するデモなどが起きないとも限らない。一極集中と同時に、現在のような経済状況が続けば、国民の間で経済格差がより拡大するからである。
一極集中は正確には一・五局集中である。リニア新幹線の東京~名古屋開通は、現在の予定では東京オリンピックの7年後になるが、これによって日本は一・五局集中になってくるだろう。首都圏と、首都圏のサテライトとしての名古屋を中心とする中京圏への集中である。
このように考えると、サッカー王国のブラジルでW杯に反対する国民もいるというニュースが、地球の反対側の出来事とは思えなくなってくる。
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