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2014年7月

2014年7月28日

メロン宅配雑感

 2週間ほど前になるが、札幌、北広島と取材で周った。この時期に北海道に出張した際には、メロンを送るのが昔からの習慣のようになっている。子供たちが小さなころは自宅に送ればよかったが、現在ではそれぞれ独立している。今回も、自宅と長男宅、長女宅に送った。

 ところが、購入した店が提携しているのは某社の航空貨物便だった。発送伝票に配達日や時間帯を指定する項目がない。そこで店の人に尋ねたら、ちょっとお待ちくださいと言って、その売場の責任者の人に取り次いだ。責任者の人は、普通の宅配便のように発送時に配達日や時間帯指定ができないので、不在票で対応して下さいという。そこで、発送手続きがすんでから、それぞれに電話をして不在票が入っていたら再配達の時間帯などを指定するように、と伝えた。

 国土交通省の調べによると、2013年度の宅配便取扱個数は36億3668万個で、前年度比3.1%の増加である。そのうちの約98.9%がトラックで、航空等利用運送は僅か1.1%に過ぎない。したがって日本国内で宅配便といえば、ほぼイコールでトラックになる(トラック扱いでも幹線輸送は航空を利用している部分もあるが)。

 2013年度における宅配便(トラック)取扱個数のシェアを事業者別にみると、ヤマト運輸46.3%、佐川急便33.9%、日本郵便11.9%で、上位3社が全体の92.1%を占有している。なかでもヤマト運輸の市場占有率が高く、次いで佐川急便、かなり離されて日本郵便となっている。

 宅配便事業者間の市場占有率の差が顕著に表れるのは一番遅い配達時間帯である。昼間と同じ車両で配達しているか、軽トラックで配達しているか、同じ軽トラックでも下請け事業者の車両かなどによって、感覚的ではあるが荷物のボリュームの差が分かるからだ。

 それはともかく、今後は宅配便上位3社の間でも戦略的な違いが現れてくるだろう。同じ宅配便事業者といっても、CtoCをベースにしたネットワークにBtoCやBtoBを取り込むような事業者と、BtoBをベースにしたネットワークにBtoCやCtoCの荷物を取り込むような事業者である。事業インフラの違いによって、事業展開が異なってくるからだ。

 ただ、労働力不足がどのように影響してくるかも、今後の大きなポイントになる。ヤマト運輸や佐川急便に対して、日本郵便は不在票対応などの点でかなり劣っている。このようなサービスレベルの差を縮めることが大前提になるが、労働力確保という点ではヤマト運輸や佐川急便よりも日本郵便に優位性がある、という見方をしているネット通販などの大口利用者もいる。

2014年7月21日

幼稚化

 野々村竜太郎兵庫県議(その後に辞職)には驚いた。テレビのニュース番組で記者会見の映像が放映されたのだが、泣き叫ぶ姿を見て「なんじゃ、これは」とビックリした。まるで泣き叫んで駄々をこねる幼児である。会見の内容よりも、これが県議なのか! というのが率直な感想だ。同時に、恥ずかしくないのだろうか? と思わざるを得なかった。本人はもちろん、選挙で投票した人たちも含めてである。現在は虚偽公文書作成さらには詐欺容疑も視野に捜査が行われている。

 その後、今度は東京の金子洋中野区議の引責辞職である。集団的自衛権についてツイッターで議論し合っていたようだが、「おまえこそ人間のくずだ。死ね!」と書きこんだという。新聞報道などで知る限りでは、集団的自衛権について良く理解もしていないくせにと、相手を見下しているような姿勢が感じられる。本人は「人間のくず」とか「死ね」という表現について反省しているようだが、そのような表面的な問題ではなく、もっと内面的で根本的な部分での反省が必要ではないかと思う。要するに、見下している相手と、自分が同じ次元であることに気づくことだ。

 小保方晴子氏の博士論文に関する早大の調査委員会の報告も良く理解できない。著作権侵害などを含む26カ所の問題点があり、そのうち6カ所を不正としながら、規定上から博士号を取り消さないという内容だ。しかも「誤って」草稿を提出し、問題が表面化してから「本物」に差し替えたようだが、そんなことがまかり通ってしまうらしい。単純に解釈すると、大学入試で採点が終わってから、「誤って下書きの回答用紙を出してしまったので、正式の回答用紙を出し直します」という論理が通用することになってしまう。今年度に早大を受験する人たちには朗報といえる。ご本人は「反省しております」とのことだが、この間の一連の推移をみると、本当に反省しているようには受けとれない。

 これら3人には共通点があるように思う。1つ目は、受験勉強などには秀でている小利口な人たちだということ。第2は、狭い世界だけで生きてきて、あまり世間を知らないのではないかということ。第3は、自分を客観視することができず、自己主張すれば通用すると勘違いしているのではということである。

 これは、スマートフォンの画面をみながら、相手が避けてくれるだろうと直進してくる人たちと同類だ。いずれにしても幼稚化と表現できるのではないだろうか。

2014年7月14日

大震災被災地再訪

 先週は岩手県陸前高田市と宮城県気仙沼市の会社を取材した。陸前高田市で訪ねたのは、6月2日の当コラム(風化と慣れ)で「7月にぐらいに再び訪ねて取材することになった」と書いておいた会社である。同社を取材するのは2007年12月以来なので約6年半ぶりだ。

 前回は一関からJR大船渡線で陸前高田まで行った。しかし、現在は大船渡線が気仙沼までしか行かず、その先はまだ不通のためバスしかない。そもそも乗客数の少ない路線だったので、気仙沼より先の区間が再開通されるのかどうかすら分からないようだ。

 旧市街地の瓦礫の処理はほとんど終わっていて、現在はかさ上げ工事の最中である。訪問先の社長に車で案内していただいたが、ダンプなど工事関係の車両とたくさんすれ違った。また、一泊したホテルは、被災した旧市街地から高台に移転して営業を再開したとのことで、部屋の窓からは海岸や旧市街地が一望できた。その風景をみる限り、復興にはまだまだ時間がかかりそうだし、また、復興しても大震災の前とは景観が一変してしまうだろうと思った。

 翌日は気仙沼の会社を訪ねた。大震災から約半年後の2011年10月に取材した会社なので、約2年9カ月ぶりの訪問である。やはり社長に車で港などを案内していただいた。

 気仙沼魚市場は、一本釣りや巻網で獲れたカツオなどの水揚げで活気があった。同港は日本有数の漁港である。だが、前回の訪問時は時間が停止したような状況だった。それが今回は非常に活気があったので、嬉しく感じた。

 いうまでもなく水揚げされた鮮魚は、東京などの市場にトラック輸送される。その際、競りで落札してからトラックを手配するのだが、ドライバー不足などのために車両が確保できないこともあるという。すると鮮魚としての販売ができず、加工食品に回さなければならない。鮮魚として販売できれば高値で売れるが、加工食品の原材料では販売価格が下落してしまう。

 労働力不足による影響は様ざまな面に現れていることを実感する。聞くところによると、気仙沼で長年にわたって鮮魚輸送をしていた運送事業者の1社は、改善基準告示(拘束時間)の順守や、ドライバー確保難などによって事業から撤退したという。

2014年7月 7日

戦時レジームへの転換

 憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使容認が閣議決定された。関係諸法律などの改定を経て、海外での武力行使に道が開かれる。

 10年前の2004年にイラク特措法で自衛隊がイラクに派遣された時のことである。長女と話をしていて、へぇ~と驚いた。自分などは憲法9条が云々と考えがちだが、娘などは発想が全く違う。派遣される自衛隊員が可哀そうだというのだが、その理由である。日本は憲法で戦争をしないことになっているから、安定した就職先として自衛隊に入った人たちも多い(当時は就職難)。それなのに紛争地域の海外に「業務命令」で「出張」させられたら「就業規則」違反ではないか、というのである。

 そのような発想の延長で考えると、これからは自衛隊への入隊応募者も減ってくるだろう。そうするとどうなるか。どのような命令にも無条件で従う正隊員いわば正社員と、防衛限定正隊員や攻撃限定正隊員などのいわば限定正社員などといったことになるかも知れない。このうち攻撃限定正隊員は傭兵と同じだ。傭兵なら国が直接契約するよりも、労働者派遣法を変更して派遣会社からの派遣隊員にした方が、補償なども含めたトータル人件費を削減できる。もちろん、コンバットカラー・エグゼンプションで「残業代」はナシである。まぁ、応募者が少なくなれば、徴兵制という切り札があるか。

 次に、集団的自衛権容認の経済への波及効果としては、兵器関連企業の業績が上がり、株価の上昇が見込まれるだろう。また、戦地に戦闘員を派遣する兵隊派遣会社や葬儀社の業績も良くなる。これまで隠していたが、実は、これが成長戦略の「第4の矢」だったりして。

 かくして「戦時レジームへの転換」が着々と進んでいる。それにともない、これまでのビジネス・ロジスティクスだけではなく、本来のロジスティクス(兵站)がますます重要になってくるということで、「物流コラム」らしい結びになった。

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