メロン宅配雑感
2週間ほど前になるが、札幌、北広島と取材で周った。この時期に北海道に出張した際には、メロンを送るのが昔からの習慣のようになっている。子供たちが小さなころは自宅に送ればよかったが、現在ではそれぞれ独立している。今回も、自宅と長男宅、長女宅に送った。
ところが、購入した店が提携しているのは某社の航空貨物便だった。発送伝票に配達日や時間帯を指定する項目がない。そこで店の人に尋ねたら、ちょっとお待ちくださいと言って、その売場の責任者の人に取り次いだ。責任者の人は、普通の宅配便のように発送時に配達日や時間帯指定ができないので、不在票で対応して下さいという。そこで、発送手続きがすんでから、それぞれに電話をして不在票が入っていたら再配達の時間帯などを指定するように、と伝えた。
国土交通省の調べによると、2013年度の宅配便取扱個数は36億3668万個で、前年度比3.1%の増加である。そのうちの約98.9%がトラックで、航空等利用運送は僅か1.1%に過ぎない。したがって日本国内で宅配便といえば、ほぼイコールでトラックになる(トラック扱いでも幹線輸送は航空を利用している部分もあるが)。
2013年度における宅配便(トラック)取扱個数のシェアを事業者別にみると、ヤマト運輸46.3%、佐川急便33.9%、日本郵便11.9%で、上位3社が全体の92.1%を占有している。なかでもヤマト運輸の市場占有率が高く、次いで佐川急便、かなり離されて日本郵便となっている。
宅配便事業者間の市場占有率の差が顕著に表れるのは一番遅い配達時間帯である。昼間と同じ車両で配達しているか、軽トラックで配達しているか、同じ軽トラックでも下請け事業者の車両かなどによって、感覚的ではあるが荷物のボリュームの差が分かるからだ。
それはともかく、今後は宅配便上位3社の間でも戦略的な違いが現れてくるだろう。同じ宅配便事業者といっても、CtoCをベースにしたネットワークにBtoCやBtoBを取り込むような事業者と、BtoBをベースにしたネットワークにBtoCやCtoCの荷物を取り込むような事業者である。事業インフラの違いによって、事業展開が異なってくるからだ。
ただ、労働力不足がどのように影響してくるかも、今後の大きなポイントになる。ヤマト運輸や佐川急便に対して、日本郵便は不在票対応などの点でかなり劣っている。このようなサービスレベルの差を縮めることが大前提になるが、労働力確保という点ではヤマト運輸や佐川急便よりも日本郵便に優位性がある、という見方をしているネット通販などの大口利用者もいる。
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