朝食派か夕食派か
年齢とともに健康の話題が増えてくる。そのような会話のなかで、朝食をたくさん食べるべきか、それとも夕食か、というのがある。
朝食派は、これから1日働く(あるいは動き回る)のだから、朝食をたくさん食べるのが良い。夕食は、どうせ後は寝るだけなのだから少しで充分。それに就寝する前にたくさん食べると体重が増えて健康にも良くない、という意見だ。夕食派は、1日働いて(動き回って)腹が減っているし、夕食は時間をかけて楽しむべきだ、という考え方である。たしかに朝から大宴会というのはあまりない。
朝食派と夕食派の話は、週の初めは日曜日か、それとも日曜日は週末なのか、というのに似ている。カレンダーをみると日曜日が週の初めになっている。だが、日常でアポイントを取る時などは、月曜日の日にちを基準にして「何日の週で都合の良い日は...」と言っているはずだ。
日曜日が週の初めという考え方は、まず休んで、それから働くという西洋的な発想であり、働いた後で休むというのが日本人的な発想なのだ、という人もいる。まぁ、朝食派か夕食派か、あるいは日曜日は週初めか週末か、といった議論なら害はない。ところが一部の人たちだけに利益をもたらし、また自己保身で目先を取り繕うために先食いして、後は野となれ山となれでは多くの国民にとっては悲劇だ。とくに若い人たちの将来はどうなってしまうのか。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産を株式市場に回そうという動きが具体的に始まる懸念が高まってきた。実態経済がいっこうに上向かないなかで、株価高を操作して経済政策の成果を演出しようという政府の魂胆だ。おそらく来春のいっせい地方選挙前までに、一時的でも良いから株価を高騰さようとするのではないかと思われる。
GPIFの運用資産は厚生年金と国民年金を合わせて約130兆円。現在の資産運用は約55%が国債という。国民の大事な年金なので安定的な運用が必要だからだ。日本株は約17%だが、この比率を高めようとしている。1%でも1兆3000億円という資金である。一次的に株価が上昇することは明らかだ。しかし、株価は永遠に上昇し続けるわけではない。もし、大きな損出が生じたら、誰が責任を取るのか。
若い世代のことなどどうでも良いという、一部の人たちだけの先食いである。
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