今年も残り半月
今年も残り僅か半月となってしまった。しかし、年の瀬という感覚が乏しい。淡々と時間だけが過ぎていくような感じだ。
先週は山形市と寒河江市などを取材してきた。先々週がタイとカンボジアだったので、気温30℃から一気に東北の冬の世界である。気温差は大きいが、おかげさまで体調と気力は問題ない。
取材先を訪ねるにはタクシーをよく利用する。タクシーに乗ると、運転手の人に最近の景気などを訪ねることにしているが、今回は誰もが共通して「選挙でタクシー利用者が少ない」といった主旨の答えを返してきた。通常なら忘年会シーズンで客が増える時期なのだが、選挙で忘年会が減っているのだという。なかには「選挙でGDPが下がる」などと冗談をいうドライバーもいた。しかし、選挙後に忘年会が増えてタクシーの利用客が増加するのを期待すると、ドライバー全員がいっていた。
出張先のホテルでは、たいていマッサージを頼む。マッサージの人にも景気などを聞くことにしているのだ。複数のホテルと契約しているマッサージの人たちは、ビジネス客や観光客の増減などに詳しい。自分の商売に直結しているからである。なかにはビジネス関係の宿泊者の特徴まで教えてくれる人もいる。たとえば、以前は首都圏から営業などでくる人が多かったが、最近は首都圏からでも日帰り出張が増えてきた、といったようにである。そして、タクシーの運転手の人たちと同様に、ホテルの宴会場での忘年会も、今年は選挙で減っていると話していた。忘年会のキャンセルなどもあったということだった。
選挙関連の業種では、予想外の年末選挙という「特需」で忙しかった人たちもいただろう。反対に、選挙で稼ぎ時の仕事が減った業種の人たちもいる。これらのプラスとマイナスが僅かとはいえGDPにどのように影響するのだろうか。
GDPといえば、大方の予想に反するマイナスだった。在庫減少がGDPではマイナスに作用するので、心配はないという意見もある。だが、国債という借金を増やして公共投資につぎ込んだ分はプラスに作用する。これには、あまり触れられていない。統計数字などは、自分にとって都合の良い部分だけを使う。だから他人の発言や主張をそのまま信じるのではなく、結局、自分自身で判断しなければいけないのである。
それはともかく、選挙結果はご周知の通りであった。さて、来年はどうなることやら...。
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