風が吹けば‥‥
「風が吹けば桶屋が儲かる」というのがある。風が吹くと砂埃がたつ→埃で目を傷めて盲人が多くなると三味線をひく人が増加→三味線につかう猫の皮が必要になって猫が減る→猫が減るとネズミが増えて桶をかじる→桶屋が繁盛して儲かる、という論理展開? である。想像しないような結果になるたとえのようだ。
日本気象協会の発表によれば、4月に入ってから中旬までの日照時間は、全国的に平年よりもかなり短いようだ。日照時間が短いということは雨や曇りの日が多いということである。単純な因果関係で、「日照時間が短いので傘屋が儲かった」かどうかは分からない。だが確実なのは、野菜など農作物への影響である。初夏からの野菜の値段の高騰が予想される。もちろん、それを想定して事前に輸入を増やすような対策はたてられるが、円安が輸入野菜の価格を押し上げる。
ところで、野菜の値段が高騰するとドレッシングの売上が減る。これは単純なことで、説明するまでもないだろう。だが、野菜の値段が高くなると納豆が売れるようになる、というのを連想できる人は少ないのではないだろうか。自分も納豆メーカーの物流子会社の人から聞いて、初めて知ったのである。
いまから18年も前になるが、ある納豆メーカーの物流子会社を取材した。天候不順で野菜の値段が高騰している時だったので、雑談的にそんな話の展開になったのである。なぜなのかという因果関係は説明できないが、販売データなどをみると結果的にそのようになっているのだという。おそらく野菜の値段が高いと買い控え、その代わりに納豆で植物繊維を摂取するのではないかと想像しているという話だった。
それにしても、総ての購買者が植物繊維の摂取といったことを考えながら、野菜の代わりに納豆を購入しているとは思えない。多数者の無意識の購買行動の結果として、ある傾向が生じるということであろう。人間も動物なので、本能的な行動なのかもしれない。
天候ということでは、天気予報(予想)によって、物流も若干変化する。コンビニ店舗などでは、天気や気温などによって売れる商品が違ってくるからである。物流は雑学の教材でもある。
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