« 日本的企業 | トップページ | 風が吹けば‥‥ »

2015年4月13日

コンビニ国家?

 先週は風邪をひいてしまった。30℃以上のシンガポールから帰国した途端に、真冬のような気温だったので体がついて行けなかったからだ。

 シンガポールで感じたことを一言で表現すると「コンビニ国家」である。一番大きなシンガポール島でも東西約42㎞、南北約23㎞で、全国土面積が東京23区ぐらい。だが、金融、運輸(ハブ港湾・ハブ空港)、観光を柱に、国民1人当りのGDPや、1人当りの所得は世界的にも上位である。リー・クアンユー元首相の国葬の数日後に行ったのだが、このような国家の構築に貢献した元首相がシンガポールの父と呼ばれる所以も分かるような気がした。

 ジョホール海峡を渡ってマレーシアのジョホールバルにも行ってみたが、経済力の差を強く感じた。マレーシアから、毎日、バイクでシンガポールに通勤している人もいるようだ。シンガポールの方がずっと給料が高いので、物価の安いマレーシアに住んでいる人には良いという。一方、シンガポール側で同じことを聞いてみると、マレーシア人は人件費の安い労働力、といったニュアンスだった。

 シンガポール島のごく一部しか観ていないが、都市部だけで田舎のない国だなと思った。つまり農林水産業などがほとんどない。食料自給率が云々という見方もあるだろうが、ともかく金融、交通、観光に経営資源を絞り込むという国家戦略で成功していると感じた。

 水と電気についても現地で聞いてみたが長くなるので省く。ともかく少ない経営資源をフル活用するには24時間稼働という考え方なのだろう。12時間稼働を24時間稼働にすれば、経営資源を2倍に活用できる。たとえばナイトサファリは夜の12時までやっているという。空港では各国からの観光客を24時間受け入れ(ホテルなどの態勢も含め)、24時間稼働で各国に帰国させる。短期間で観光客を回転させれば、観光施設など限られたキャパでも多数の観光客を受け入れられるというわけだ。港湾にしても24時間でトランシップのコンテナを多数こなせば生産性も高いし、雇用拡大にもつながる。

 このようなことからコンビニの店舗経営との共通性を感じたのである(深夜の時間帯に採算が取れているコンビニ店舗は極めて少ないが)。これは中小企業のニッチ戦略にも参考になる。それはともかく、オーチャード通りの地下で目的の出口を見つけるのに30分以上も迷ってしまった。田舎生まれの悲しさである。

« 日本的企業 | トップページ | 風が吹けば‥‥ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事