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2015年5月18日

オムニチャネル

 最近、オムニチャネルという言葉を聞くようになった。自分なりの解釈では、従来のマルチチャネルが様ざまなチャネルを使って消費者に商品を訴求するのに対して、オムニチャネルは消費者がたくさんのチャネルから都合の良いチャネルを選択して購入できるようにする、ということだろう。

 そもそもはバーチャル店舗のアマゾンに対抗するために、リアル店舗のウォールマートが数年前に打ち出したようだが、日本ではセブン&アイHDやイオンなどがオムニチャネル化を進めるようになったことで知られるようになってきた。

 このようにオムニチャネルはリアル店舗が急伸するバーチャル店舗に対抗するための販売戦略である。購入方法では、たとえば店頭で商品をみて選ぶ、あるいは店頭で試着するが、実際の注文はネットでするといったように多様になる。また、店頭で購入しても商品を持ち帰らず、宅配や宅配ボックス、近所のどこか(自宅の近くのコンビニや最寄駅など)で受け取るようにするとか、購入者にとっては利便性が増すことになる。

 このようなリアル店舗のオムニチャネル化に対抗するため、ネット通販などのバーチャル店舗側でもリアル店舗に進出したり、パイロット店を出店したり、といった動きが始まっている。また、商品の引き渡しも宅配だけではなく、宅配ボックスだったり、購入者が指定したどこか(同前)で受け取れるようになってきている。逆オムニチャネル化である。

 このようにオムニチャネルでは、リアル店舗とバーチャル店舗の販売手法が接近し、また購入者に商品を引き渡すラスト・ワン・マイルも同じようになりつつある。それにともなってラスト・ワン・マイルが多様化して複雑になっており、最適なラスト・ワン・マイルの構築はオムニチャネル化の成否を左右するといっても過言ではない。オムニチャネルでは物流が極めて重要なのである。

 そこでオムニチャネルにおけるラスト・ワン・マイルについて本格的に取材を進めようと、この間、準備をしてきた。これから実際の取材に着手するのだが、かなり大がかりな取材になるだろう。ところが取材の準備をする中で、オムニチャネルの先には、さらに特殊日本的な大きなテーマがあることに気づいた。オムニチャネル物流を上梓したら、引き続き、その先のテーマも追いかけたい。これから忙しくなりそうだ。

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