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2015年6月 8日

摂生か薬か

 毎日インスリンを打っているのに、毎日酒を飲んでいる人がいる。酒を止めれば良いじゃないか、と思うのだが酒を止めるつもりはないらしい。

 厚生労働省は2013年4月に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を策定、発表した。今年4月発表の資料をみると、3年後の2018年3月末までにジェネリックを60%以上にする、という目標を掲げている。健康保険の負担を減らすためだろう。

 当方にも、今年3月に組合けんぽからジェネリックにしてくれ、といった文書が送られてきた。10年ぐらい前から病院で定期的に診察してもらっている。医師が血液をきれいにする薬を処方して、4種類の薬をずっと服用している。

 4月上旬に病院に行ったので、医師にジェネリックにしてくれと言ったところ、あからさまに嫌な顔をされた。「(4種類のうち)新薬が多いので、あまり安くはなりませんよ」「ジェネリックは若干成分が異なるので体質に合わない場合もありますよ」「ジェネリックは病院内ではなく、院外の薬局で購入することになるので不便ですよ」といった具合だ。

 これでは気の弱い人なら仕方なく医師に従ってしまうだろう。同時に、なぜそんなに新薬にこだわるのかと、あらぬことを想像せざるを得ない。医師としての売上実績が必要なのも分からないではないが。

 前まえから感じていたのは、生活習慣病などの場合、薬が増えることはあっても減ることはまずない、ということだ。血液や尿検査で数値が少し悪化すると薬の種類あるいは量がすぐ増える。逆に数値が良くなっても、それは薬の効果という解釈になる。なぜ、薬を減らしたり一時的に止めて経過を診ようとしないのだろうか。

 自分の場合、HbA1c(ヘモグロビン)は少し高めだが、それ以外は正常値の範囲にある。摂生すれ少し良くなるのは分かっているのだが、それでも「薬を飲んでいる効果」ということで薬を減らすことはないだろうと思われる。だったら、摂生しないために薬を飲んでいる、と割り切った方が良い。あれ? それじゃインスリンを打ちながら酒を飲んでいる人と同じことか。

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