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2015年8月

2015年8月31日

ご都合主義

 数日前、気分が乗らないのでかなり早めに仕事を切り上げて家に帰ろうとした。京王線の高幡不動駅から多摩モノレールで1つ行った万願寺が最寄り駅だが、モノレールの区間はたいてい歩くようにしている。高幡不動の駅について、早いから駅名でもある高幡不動にでも寄ってみようかという気になった。正しくは高幡不動尊金剛寺である。

 正面の仁王門(重要文化財)をくぐったら、護摩修行が始まるので希望者は不動堂(重要文化財)に履物を脱いでどうぞ、というアナウンスがあった。不動堂は仁王門の正面にある。そこで不動堂に入ったら、ちょうど護摩修行が始まった。ジャスト・イン・タイムだ。これはきっと良いことがあるに違いない!

 正座をして目を瞑ってじっとしていた。正座をするなんて何年ぶりだろう。最初のうちは、何かご利益があるだろうなどと雑念が頭の中を駆け巡っていたのだが、やがて何も考えなくなってきたから不思議だ。さらに、正座をして目を瞑っているうちに両方の肩の力が抜けてきた。慢性的な肩こりなのだが、すっーと肩が軽くなってきたのである。これもご利益だし、きっと邪念が払えたに違いない。

 正座して目を瞑っていた時間は約30分。目を開けて立ち上がるとき、足が痺れてふらつくのではないかと思ったが大丈夫だった。だが、不動堂から出て靴をはいて歩き出した途端、きっと何か良いことがあるに違いない、という邪念が再び頭をもたげてきた。こんな心構えだからダメなのかも知れないな。

 スマートフォンでネット接続すると、12星座占いが出てくるので毎日見る。また、EメールのOCNでも星座占いがあるので、やはり毎日見るのが習慣のようになっている。不思議なのは両方とも星座占いなのに、今日の運勢の順位が違うことである。両方の順位が一致するのは極めて少ない。それでも順位が2、3番違うだけなら良いのだが、一方が1位なのに他方は12位といった日もある。時計の文字盤なら12時の隣が1時なので、同じように考えれば1番違いという解釈もできなくはないのだが...。

 そこで、何事においても都合の良い部分だけを信じることにした。良くない内容は無視するのである。ご都合主義も極まれりである。だがご都合主義者であっても、自分は政治家ではないことをお断りしておく。

2015年8月24日

不可解な社会を象徴

 大阪・高槻市の運送会社の駐車場に、無残な遺体が遺棄されていた。30カ所以上も切り傷がある残忍な犯罪ということもあるが、職業柄もあって運送会社の駐車場という点でも気になっていた。

 遺体が中学1年の女子生徒と判明するのに時間がかかったのは、家族から捜査願いが出されるのが遅かったからのようだ。その後、柏原市の山中で男子生徒の遺体も発見された。そもそも不思議なのは、中学1年生の男女が夜間に外出したり外泊しても、当初は親がさほど心配していなかったのではないか、ということである。

 また、友達同士が深夜や早朝でも無料アプリで連絡を取り合っていることも不思議だ。そんなに緊急の用事があるとは思えない。言葉はしょせん記号とはいえ、短い言葉のやり取りというのも特徴的だ。意思を伝えるというよりも、常に何らかの形で繋がっているという精神的安定性の求め合いではないだろうか? それにしても睡眠時間などを考えると心身ともに健康的な生活とは思えない。

 容疑者が逮捕された時の報道(警察発表)によると「45歳職業不詳」となっていた。そのような中で、一部の報道機関が「福島で除染作業員」をしていた同僚のコメントを報じていた。この容疑者に限らず、最近の事件の容疑者や犯人は「職業不詳」や「無職」が多い。どのように生活しているのかと不思議に思う。また、働いていても不安定な雇用契約の非正規社員の場合が多いように感じる。現在の社会をよく反映していると思う。

 今回の事件では、防犯カメラの映像記録が容疑者逮捕に効力を発揮したことも特徴的だ。防犯カメラが「防犯」にどれだけ効果があるかを定量的に示すことは難しい。だが、少なくとも犯罪が起きてから容疑者を追跡するために役立っているのは事実だ。それはすなわち、自分自身を含めて常に監視されている社会だということを意味している。

 日本は世界的にみると殺人事件の少ない国である。2013年には、戦後初めて年間1000件を下回った。同年の日本の人口10万人当たりの殺人発生率は0.23で、世界で211番目である。犯罪が少なく治安の良い国といえるが、最近の殺人事件をみると残虐性、残忍性が強まっているような気がする。

 以上のように、今回の事件は現在の日本の不可解な社会状況を如実に象徴している。

2015年8月17日

人民元レート

 3週間ほど前、久しぶりに銀座に行ったら、外国人が多いのに驚いた。外国からの観光客が増えているといっても、まさか、これほどとは思っていなかった。大方は中国人のようである。

 知り合いの研究員によると、外国人観光客の増加で、観光バスの発注が増えていて、メーカーの生産体制が追いつかないという。路線バスなら車内の装飾や設備が各社ともほぼ同じだが、観光バスはバス会社によって様ざまな趣向を凝らしたものが求められる。そこで発注から納車までかなり時間がかかっているようだ。

 それはともかく事務所の近くの事務用品店でも外国人客が多い。こちらは小学生と思しき女の子たちが、文房具を品定めしている。学校で自分が使うのに買って帰るのだろう。あるいは友達への日本土産かもしれない。文房具なら単価はさほどではない。一方、同じく事務所の近くの家電量販店では「爆買い」を目にする。こちらは1人当たりの売り上げ金額も大きいはずだ。百貨店、各種量販店、専門店、その他の小売業は外国人観光客、とりわけ中国人の爆買いによって好業績になっている。

 中国人民銀行が人民元を切り下げた。すると、たちまち世界の株式市場に影響がでた。中国経済が停滞しているという観測は以前からある。GDPをはじめ中国の経済指標の信ぴょう性には疑問符がつくが、その数値でさえも中国経済の勢いが衰えてきた。人民元の切り下げには、そのような背景があるのだろう。

 ところで、国内の大手小売業は中国客の爆買いに頼っていても良いのだろうか。もちろん、買ってくれるというのだから売って儲けるのはかまわない。だが、円安が今後も続いたとしても、爆買いが続くとは限らない。中国政府が外国製高級品の関税率を大幅に引き下げたら、日本で爆買いする必要はなくなる。観光客は増え続けても、それは純粋な観光であり、買い物が目的の訪日ではなくなる。

 40年ほど昔、日本人が外国に行くと女の人には香水を、男の人にはウイスキーやタバコというのがお土産の定番だった。関税が高く国内では高額品だったからである。しかし、現在は海外に行く人はずっと増えたが、お土産にさほど気を使わなくなった。

 これと同じように、爆買いに頼るような経営に傾注し過ぎるといけない。やはり、正常な形で日本経済の景気を回復させる政策が必要なのである。

2015年8月10日

ローカル鉄道

 秋田市に一泊した翌日、角館で途中下車し、約5時間ほど時間が取れるように新幹線のチケットを手配していた。当初は角館を見学しようと思っていたのだが、秋田から角館に向かう車中で考えが変わった。猛暑の中を見学して歩くのは大変だし、それに武家屋敷は何度か観ている。

 そこで秋田内陸縦貫鉄道に乗ってみようという気になった。角館~鷹巣を結んでいるローカル線である。だが、時間を調べると鷹巣までは2時間以上かかる。それに本数があまりないので、往復したのではチケットを購入していた角館からの帰りの新幹線に間に合わない。

 往った先でも一定の時間を取りたいので、阿仁マタギを往復することにした。阿仁マタギなら現地で2時間弱の時間が取れる。第3セクターで経営している打当温泉マタギの湯があり、館内にはマタギ資料館もある。2時間弱でも、マタギ資料館を観て日帰り温泉に入ることが可能だ。

 阿仁マタギは無人駅だが、列車の発着時間に合わせて、マタギの湯とその近くの熊牧場までの無料の送迎バスが運行されている。マタギの湯は室内に2風呂とサウナ、それに露天風呂(屋根付き)があった(それ以外にも家族風呂があるようだった)。だが、入浴しているのは自分1人だけ。貸切である。とくに露天風呂では、標高が高いだけに、さっぱりした風が吹いてきて気持ち良かった。

 秋田内陸縦貫鉄道は1両編成で、のどかなものである。夏休み期間の土曜日だったからかも知れないが、往復とも女性の車掌さんが沿線のガイドをしてくれた。途中の田んぼアートのところでは、列車のスピードを緩めて、窓から写真が撮れるような配慮もしてくれる。

 それにしても車掌さんも大変だ。無人駅が多いので乗降客への対応と沿線ガイド。車内でのアンケート協力のお願い。さらにオリジナル・グッズの車内販売と、ローカル鉄道を維持する必死さを実感させるものがあった。

 アンケートも気づいた点などをできるだけ詳しく記入し、少額だがオリジナル・グッズも購入して、ささやかな協力をした。地元の足としてのローカル鉄道を維持するには、様ざまな工夫や努力が必要だ。往きの列車の車掌さんは沿線の出身と言っていたが、駅員、運転手、車掌とも若い人たちが多いように見受けられたので心強かった。

2015年8月 3日

長距離フェリー

 長距離フェリー「さんふらわあ だいせつ」で火災があった。出張先でニュースを知り、様ざまなことを思い出した。苫小牧にはちょうど2週間前に取材で行ったばかりである。

 苫小牧~大洗航路が開設されたのが30年前の1985年3月。大洗港(現在の名称は茨城港)から出航する第1便に取材で乗船した。出港に先立ち、大洗港に接岸した日本沿海フェリー(現在の商船三井フェリー)のフェリー船内で、多数の関係者によるセレモニーがあった。宴がお開きとなった後の静寂を感じながら、静かに動き出した船のデッキに立って、離れゆく深夜の岸壁を眺めていたことを思い出した。

 翌日は船内を取材して回った。船長室では船長が自らコーヒーをいれてくれた。機関室で機関長から話を聞き、エンジンルームも見せてもらった。物凄い音と振動、それに熱気を記憶している。操舵室にも入れてもらい、広大な海を切り割いて進む船の舳先を眺めた。トラック・ドライバーの人たちがくつろいでいる部屋も訪ね、話を聞いたりもした。同航路は、その後も取材で北海道に行く時に何度か利用している。

 フェリーは航路の距離によって近距離、中距離、長距離フェリーに分類できる。近距離フェリーは旅客の利用割合が高く、運ぶ車両も乗用車が多くなる。長距離フェリーは夏休みなど特定の期間を除くと旅客の人数は少なく、貨物輸送車を運ぶ割合が高い。貨物輸送車には普通のトラック(単車)と、トレーラのシャーシ(非牽引車)の無人航送がある。単車ではドライバーの人もたいていは一緒に乗船する。それに対して一般的には航路の距離が長いほどシャーシだけの無人航送が多くなる。

 航行中は乗員以外、乗客はトラックを積み込むデッキには入れない。トラックには冷凍・冷蔵車もあり、道路を走行中は自動車のエンジンで冷凍機を作動している。だが、航行中はエンジンを切らなければならないので、船の電源から電気を供給して冷凍機を動かしている。ニュースで出火元を知り、直感的に冷凍車の冷凍機の故障か、あるいは冷凍機に電気を送るコードなどに出火原因があるのではないかと思った。

 今回のフェリー火災は苫小牧港の近くで、日没前だったことにより、多くの船が人命救助に当ることができた。船長の判断も良かったと思う。専門家の調査で、いずれ出火の原因も明らかにされるだろう。

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