ローカル鉄道
秋田市に一泊した翌日、角館で途中下車し、約5時間ほど時間が取れるように新幹線のチケットを手配していた。当初は角館を見学しようと思っていたのだが、秋田から角館に向かう車中で考えが変わった。猛暑の中を見学して歩くのは大変だし、それに武家屋敷は何度か観ている。
そこで秋田内陸縦貫鉄道に乗ってみようという気になった。角館~鷹巣を結んでいるローカル線である。だが、時間を調べると鷹巣までは2時間以上かかる。それに本数があまりないので、往復したのではチケットを購入していた角館からの帰りの新幹線に間に合わない。
往った先でも一定の時間を取りたいので、阿仁マタギを往復することにした。阿仁マタギなら現地で2時間弱の時間が取れる。第3セクターで経営している打当温泉マタギの湯があり、館内にはマタギ資料館もある。2時間弱でも、マタギ資料館を観て日帰り温泉に入ることが可能だ。
阿仁マタギは無人駅だが、列車の発着時間に合わせて、マタギの湯とその近くの熊牧場までの無料の送迎バスが運行されている。マタギの湯は室内に2風呂とサウナ、それに露天風呂(屋根付き)があった(それ以外にも家族風呂があるようだった)。だが、入浴しているのは自分1人だけ。貸切である。とくに露天風呂では、標高が高いだけに、さっぱりした風が吹いてきて気持ち良かった。
秋田内陸縦貫鉄道は1両編成で、のどかなものである。夏休み期間の土曜日だったからかも知れないが、往復とも女性の車掌さんが沿線のガイドをしてくれた。途中の田んぼアートのところでは、列車のスピードを緩めて、窓から写真が撮れるような配慮もしてくれる。
それにしても車掌さんも大変だ。無人駅が多いので乗降客への対応と沿線ガイド。車内でのアンケート協力のお願い。さらにオリジナル・グッズの車内販売と、ローカル鉄道を維持する必死さを実感させるものがあった。
アンケートも気づいた点などをできるだけ詳しく記入し、少額だがオリジナル・グッズも購入して、ささやかな協力をした。地元の足としてのローカル鉄道を維持するには、様ざまな工夫や努力が必要だ。往きの列車の車掌さんは沿線の出身と言っていたが、駅員、運転手、車掌とも若い人たちが多いように見受けられたので心強かった。
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