鬼怒川氾濫その2
鬼怒川の氾濫に伴う常総市の避難指示・勧告が解除された。しかし、自宅が崩壊している人たちは家に戻れない。まだ、1000人近くの人が避難生活を余儀なくされている。自力で家を建て替えたりできる人は何とかなるだろうが、それが難しい人たちは大変だ。
この間、地元なので被災地を訪れたが、被害が甚大だった地域は惨憺たる状況だった。被害に遭ったのは鬼怒川の左岸で、市域のかなりの面積だが、土地のわずかの高低差で被災を免れた人たちもいる。そのような人たちはすぐ近所の知り合いが被災しているため、「自分たちが被害に遭わなかったことで、逆に複雑な心境」のようだ。「なんと声をかけたらよいのか難しい」ともいう。また、被害に遭わなかった鬼怒川の右岸の人たちとは温度差がある、という声も聞いた。
現地で聞いた話では、氾濫して数時間後には空き巣が出たらしい。腰まで水につかって空き巣を働くような不届き者がいたという。その後も、自衛隊員の迷彩服や、消防隊員の服装に似た服を着て、被災した家を1軒いっけん訪ねて「大丈夫ですか」と声をかけ、人が出てきたら安否確認に来たようなふりをし、誰もいなければ空き巣に入るといった犯罪者もいるという。
他人の弱みに付け込むのはけしからん。いつも思うのだが、災害などに乗じた犯罪は、法律を改定して、通常よりも重い罰則にすべきではないだろうか。現実的な問題として、犯罪の発生を防ぐには抑止力を強化するしかないような気がする。
損保会社も大変だ。たとえば自動車にしても、損保会社としては自社が契約している車両の金額の査定をしなければならない。全国各地のナンバーのレッカー車が集中しているようだ。これらのレッカー車は、その損保会社が契約している車両ナンバーのデータをもっていて、ナンバーを確認しながら、契約車両だけを選んで引いていく。そのような事情を知らない一般の人からすると、なんであの車だけで、こちらの車はそのままにしていくのか、と不思議に感じるようだ。
ほんの僅かの差で被災を免れたある若者が、ヘリコプターが近くでホバリングしているのでベランダから見ていた。するとすぐ近所なのに被災した友達が、ヘリに釣り上げられているところだった。だれだれ君が救助されていると思って見ていると、その友達も彼に気づいた。そして、空中からスマフォで撮影したらしい。避難所についたらベランダから見上げている写真をメールで送ってきたという。これも若い人たちの感覚なのだと笑って良いものやら、複雑な心境だ。
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