ラグビー
ラグビー人気が高まった。W杯イングランド大会の1次リーグで3勝し、国内だけでなく開催国のイギリスなどでも脚光を浴びたからだ。1次リーグで3勝してもベスト8に残れなかったのはW杯史上初めてという。その点では不運だったと言わざるを得ない。だが、ラグビーが注目されるようになり、ラグビー選手を目指す子供たちが増えてくれば大きな成果である。
スポーツの興隆に果たすスター選手の存在と役割は大きい。今回は五郎丸歩選手というスターが誕生した。キックの正確性(得点能力)もさることながら、コンバージョンキックやペナルティキックを蹴る前の独特のポーズは、自分のような素人からすると視覚的に惹きつけられるものがある。「流行語大賞」ならぬ「流行ポーズ大賞」があれば、今年の大賞受賞は間違いないだろう。
ラグビーのスター選手として記憶に残るのは、新日鉄釜石の日本選手権7連覇(1978~84年)に貢献した松尾雄治選手だ。日本選手権の決勝はテレビで毎年のように観ていたし、自分もラグビーのボールを持っていた。その後のスター選手は、神戸製鋼でやはり7連覇(1988~94年)に貢献した平尾誠二選手である。だが、そのころはテレビ中継を観ることもなくなり、ニュースで活躍を知るぐらいになってしまった。
ラグビーはイングランドが発祥で、ヨーロッパ、オセアニア、南アフリカ、アルゼンチンなどで盛んだ。むかしニュージーランドのオークランドの公園などで、子供たちをはじめ様ざまな世代がラグビーをしている光景を目にした。日本では最近、キャッチボールを禁止する公園が多くなったが、むかしは公園やちょっとした広場でキャッチボールをしていた。それと同じである。スポーツ圏と表現するなら、ラグビーはイギリススポーツ圏であり、野球はアメリカスポーツ圏、サッカーはもっと世界的な拡がりをもっていると考えながら、写真を撮って歩いた。
かつてのスター松尾、平尾両選手はSO(スタンドオフ=フライハーフ)で、五郎丸選手はFB(フルバック)だが、FW(フォワード)ではなくBK(バックス)という点で共通している。FWはスクラムを組んでいる時など顔が見えないし、巨漢で格闘技選手のような耳をしている人が多い。縁の下の力持ちと頭では理解していても、素人には目立ちにくいのである。やはり顔を見せる機会が多く、すらりとした容姿の方がスターとしては有利なのだろう。これをキッカケにラグビー選手になろうとする子供たちが増えるだろうが、誰もがスター選手になれるわけではない。どんなポジションでも重要な役割を果たしていることを学ぶだけでも貴重である。
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