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2015年11月

2015年11月30日

猫も炬燵で

 少し前になるが、飼い猫の数が飼い犬の数を抜いたという推計が報道されていた。いずれにしても数からいえばペットの双璧は猫と犬になるだろう。そして人の好みも猫派、犬派に分かれるようだ。

 ペット用品やペットフードなどの通販物流をおこなっている事業者に話を聞くと、各社とも取扱量が増加しているという。これは、ずっと以前からの傾向のようだ。その背景としては、少子高齢化が進む中で、家族の一員としてのペットの存在感が増しているのではないか。もう一つは、ますます世知辛い世の中になってきているので、ペットが癒しになっているものと思われる。その一方ではペットや野生の動物などに対する虐待もあるが、これも格差が拡大している社会の負の反映といえる。

 有名人ならぬ有名犬、有名描もいる。犬では、やはり携帯電話会社のコマーシャルだろうし、猫では先日、寿命を全うした駅長猫ではないか。

 ところで、犬は飼い主に忠実だが、猫は餌はもらうが行動は自由気ままである。これは人間のタイプにも当てはまるのではないだろうか。自分は猫的な自由で気ままな方が好きだ。

 猫といえば、写真家の岩合光昭さんが有名である。NHKでも「岩合光昭の世界ネコ歩き」という番組をやっていて、うまく時間が合えば観ている。テレビで以前、ご本人が冗談を言っていたが『世界で一番猫の視聴率が高い番組』なのだという。我が家の猫も居眠りをしていない限りテレビのすぐ前まで行って熱心に見つめているので、確かに猫の視聴率が高いというのは実感できる。

 1年ほど前になるが、新宿の百貨店で岩合さんの写真展をやっていたので行ってみた。そこで写真集を1冊購入したのだが、数日後に孫たちが来て熱心にみていたので持って帰させた。こういうのを「猫かわいがり」というのだろう。

 最近は首都圏でも朝夕が冷え込むようになってきた。朝起きるのが億劫な時など、気ままな生き方ができる猫がうらやましい。「吾輩も猫になりたい」という心境である。

2015年11月23日

物流ゼミ学生コンペと就活

 一昨日は、自分もメンバーになっているNS物流研究会主催による、物流関連ゼミ学生の研究発表コンペがあった。大学の物流関連ゼミで学ぶ学生たちが研究成果を発表して優勝、準優勝、敢闘賞、努力賞が選ばれる。毎年秋に開催しているもので今回で第7回だ。

 今回は発表順に東京海洋大学、同志社大学、大阪産業大学、亜細亜大学、神奈川大学の5大学の学生が研究発表した。このほかにも常連の参加大学が何校かあるが、担当教授の都合などもあって今年は参加が見送られた。来年は7、8校の参加が予想される。

 物流といっても範囲が広く内容も多種多様だが、学生の研究テーマも時代を反映する。今回は買物弱者や地域社会の活性化、ラストワンマイルなどをテーマにした研究が多かった。そのような中で優勝したのは、同志社大学・石田ゼミの学生たちが研究した「買い物の楽しさを再び~移動スーパーから広がる可能性~」だった。

 自分はコンペ当日は毎年、写真を担当している。学内選考で選ばれたチームがコンペに参加する大学もあって、その審査をしたり、調査・研究の過程で学生がヒアリングにくるケースもある。そのため採点に感情移入があるといけないので、審査委員としての資格要件に欠けるからである。今回もヒアリングに来たチームがあったが、「おい、おい、よく理解できていないじゃないか。そうじゃないだろう」とイライラしながら発表を聞く場面もあった。

 このように全体的に例年より発表内容のレベルが劣っているように感じた。これは、就職活動の時期がずれ込んだ影響もある。今年度は大企業の選考解禁がこれまでの4月から8月になった。その影響がコンペで発表する研究水準にも反映している。それだけではなく、研究会のメンバー会社や、コンペ会場に来ていた一般参加企業の人事担当者の話でも、影響が出ているという。採用内定をだしても、あとで入社辞退する学生は毎年いるが、その分の補充採用の期間が短くなったために大変なのだ。

 経団連では、来年度は選考解禁を6月に繰り上げる考えのようだが、従来の4月に戻した方が良い。6月というのは安倍総理への配慮と推測されるが、気兼ねする必要はない。法人税引き下げなどを餌に、顔を立てざるを得ないようにされている面もあるが、それに振り回される学生や中小企業は迷惑だ。

2015年11月16日

コンプライアンス

 横浜のマンションのくい打ちデータ偽装にはじまって、次から次と出るは出るは‥。10月26日に書いたように、一般の人からすれば「まさかデータ改ざんが行われているとは思わなかった」ということになるが、建設業界の関係者からすれば「まさかデータ改ざんがバレルとは思わなかった」ということであろう。データ流用などは「業界スタンダード」といった状況だ。

 世界的な問題ではフォルクスワーゲン社の排ガス不正がある。その他、国内だけをみても大手企業のコンプライアンスに関わる不祥事は数多い。政治の世界でも政治資金規正法にまつわる問題が、次つぎと出てくる。身近なところでは自転車による道交法無視の走行も危険極まりないコンプライアンス問題だ。

 このように最近は「コンプライアンス」という言葉が一般的になっているが、むかしはそのような言葉はほとんど聞いたり読んだりしなかった。横文字表記の是非はともかく、むかしは今日よりも法令が順守されていた、ということなのだろうか。そんなことはないだろう。むかしは法令違反をしてもあまり表面に現れなかっただけで、現在と同じように法令違反はあったと思う。

 最近になってコンプライアンスが重視されるようになってきたのは、法令違反などが表面化しやすくなってきたからに過ぎない。事故や事件として公然となっていまえば別だが、隠れた不祥事などが表面化するのは、企業でいえば社内の派閥抗争に関連したリークが多く、またライバル企業が情報源というケースもある。それはむかしも現在も変わらないが、最近、コンプライアンスに関わるような問題が増えてきたのは、インターネットの普及が大いに関わっているのではないか。

 インターネットによって良心的な内部告発がしやすくなったのが一つ。二つ目は、新聞や雑誌などの紙媒体がストレートニュースの速報性ではネットに劣ることから、一部の媒体では調査報道に力を入れるようになってきたこと。さらに 三つ目として、一般の人たちのコンプライアンスへの関心の高まり。このような社会の変化が背景にあって、コンプライアンスに関わる問題が表面化しやすくなってきたものと考えられる。

 何はともあれコンプライアンスへの関心が高まるのは良いことだ。そこで、最大のコンプライアンスは何かと考えたら、憲法を順守することではないかという単純な結論に行きついた。

2015年11月 9日

カガノトヲ‥‥

 先週は静岡に行ってきた。静岡への出張はたいてい日帰りだが、今回は浮月楼の敷地内にあるホテルに2泊することになった。浮月楼は徳川慶喜公屋敷跡で、庭園が素晴らしい。しかも静岡駅から徒歩5分ほどのところにあり、「静岡の迎賓館」とも言われている。

 中日の午前中に時間があったので、市内の近場を見学することにした。午後からの仕事の時間に遅れると大変なので、あまり遠くには行けない。そこで、まず駿府城公園に行った。いつも日帰りなので近くても寄る機会がなく久しぶりだった。まだ時間があるので、次は静岡浅間神社に行くことにした。駿府城公園の北御門跡の近くに、駿府浪漫バスの停留所がある。ワンコインバスで100円で乗れるから便利だ。4つ目のバス停が浅間神社である。富士宮や富士吉田の浅間神社は何度か行っているが、静岡浅間神社は初めてだった。

 午後は静岡駅前の葵タワー内で仕事があるので、浅間神社から静岡駅まで100円バスに乗って戻ることにした。バスの経路である浅間通りでは「駿河」の文字が目につく。静岡だから当然かもしれないが、駿河から「カガノトヲ‥‥」という言葉を思い出した。

 高校生のころ、高校の正門から200、300mの所に、おばあさんとおばさんが2人でやっている焼きそばやがあった。女優の羽田美智子さんの実家の近くで、たしか3、4軒ぐらいしか離れていなかったように記憶している。部活帰りに、その焼きそば屋に毎日のようにみんなで寄った。普通の焼きそばが30円、大盛りが50円で、そのほかに牛乳などの飲料、それにアイスクリームなどを売っていた。会計は自主申告で、「今日は何を食べて何を飲んだからいくら」といってお金を出すと、何も言わずに受け取ったり、おつりをくれた。

 焼きそばを食べていると、夏などはカが飛んできたりする。そのカを叩いたりしながら食べたものだ。すると、おばさんが「カガノトヲ スオウトスルガ ミノオワリ」とよく言っていた。「駿河」の文字をたくさん見て、おばさんのその言葉を思い出したのである。しかし、なぜそんなむかしのことを思い出したのだろうか? おばさんが言っていたのは、「加賀・能登を周防と駿河・美濃・尾張」だったのである。考えてみたら、今年は加賀・能登・周防・駿河・美濃・尾張の総てに行っている。100円バスの中で、不思議な気がしてきた。

2015年11月 2日

TPPと非完全障壁

 TPPについて関係各国の基本合意ができたようだ。アメリカの大統領選挙やその他、最終的な締結までには流動的な要素はあるだろう。しかし、基本的な流れは変わらないものと思われる。先週は各省庁でTPPによる影響予測などを内部的にまとめたようだ。ごく一部の概要を発表した省庁もある。

 TPPによる影響を定量的に予測するのは難しい。内容がほとんど公表されていないので、政府関係者以外では、影響予測はほとんど不可能と言っても良い。

 不思議なのは、マスコミがほとんどが関税問題しか報じていないことだ。もちろん経済的影響としては関税問題が大きい。だが、社会全体からみると非関税障壁の行方の方が、影響がはるかに大きいはずだ。

 たとえば医療分野では、自由診療に道が開かれると国民皆保険制度の崩壊にもなりかねない。年金制度でも、企業年金などは確定給付から、日本型401Kともいわれる確定拠出への移行が進んでいる。もし、本格的な401Kの導入といったことになると、不十分ながら老後の保障だったものが投資になり、老後の資金を失う人が増加する可能性が高い。

 労働市場では、すでにTPPへの準備が進行しつつある。残業代ゼロやホワイトカラーエグゼンプション、改正労働者派遣法といった一連の動きは、「成長戦略」の名のもとに労使関係を「雇用」から「契約」に転換しようとするものである。いずれは、人件費の安い外国人労働者への門戸開放といったことも考えられる。

 物流分野では、関税撤廃(段階的撤廃も含む)による物流業界への影響は間接的である。取引している荷主企業が関税撤廃でどのようになるかで国内物流が変わってくる。そのような意味で間接的影響なのである。だが、国内の物流業界に対して、もっと大きな直接的影響を及ぼすのは非関税障壁がどのようになるかである。

 島国日本でも、外国の物流会社のトラックが国内の道路を走るようになる可能性もある。だが、TPPやFTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)も含めた経済グローバル化の中で、国内の物流への影響や変化について、真剣に論じられているとは思えない。

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