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2015年11月16日

コンプライアンス

 横浜のマンションのくい打ちデータ偽装にはじまって、次から次と出るは出るは‥。10月26日に書いたように、一般の人からすれば「まさかデータ改ざんが行われているとは思わなかった」ということになるが、建設業界の関係者からすれば「まさかデータ改ざんがバレルとは思わなかった」ということであろう。データ流用などは「業界スタンダード」といった状況だ。

 世界的な問題ではフォルクスワーゲン社の排ガス不正がある。その他、国内だけをみても大手企業のコンプライアンスに関わる不祥事は数多い。政治の世界でも政治資金規正法にまつわる問題が、次つぎと出てくる。身近なところでは自転車による道交法無視の走行も危険極まりないコンプライアンス問題だ。

 このように最近は「コンプライアンス」という言葉が一般的になっているが、むかしはそのような言葉はほとんど聞いたり読んだりしなかった。横文字表記の是非はともかく、むかしは今日よりも法令が順守されていた、ということなのだろうか。そんなことはないだろう。むかしは法令違反をしてもあまり表面に現れなかっただけで、現在と同じように法令違反はあったと思う。

 最近になってコンプライアンスが重視されるようになってきたのは、法令違反などが表面化しやすくなってきたからに過ぎない。事故や事件として公然となっていまえば別だが、隠れた不祥事などが表面化するのは、企業でいえば社内の派閥抗争に関連したリークが多く、またライバル企業が情報源というケースもある。それはむかしも現在も変わらないが、最近、コンプライアンスに関わるような問題が増えてきたのは、インターネットの普及が大いに関わっているのではないか。

 インターネットによって良心的な内部告発がしやすくなったのが一つ。二つ目は、新聞や雑誌などの紙媒体がストレートニュースの速報性ではネットに劣ることから、一部の媒体では調査報道に力を入れるようになってきたこと。さらに 三つ目として、一般の人たちのコンプライアンスへの関心の高まり。このような社会の変化が背景にあって、コンプライアンスに関わる問題が表面化しやすくなってきたものと考えられる。

 何はともあれコンプライアンスへの関心が高まるのは良いことだ。そこで、最大のコンプライアンスは何かと考えたら、憲法を順守することではないかという単純な結論に行きついた。

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