科学の進歩に驚き
先週はノーベル賞週間だった。ノーベル生理学医学賞を受賞した北里大学の大村智特別栄誉教授、物理学賞の梶田隆章東大教授と、お2人のニュースが連日のように報道された。やはり日本人が受賞するのは嬉しいものである。
同様に、先週すごいと思ったのはJAXAの金星探査機「あかつき」だ。5年前に1度は失敗しながら、5年後の再チャレンジで金星周回軌道に乗せることに成功させた。難しい軌道計算に基づいて、このタイミングしかない、という僅かなチャンスを見事に生かした。発射してからすでに5年も経過しているので探査機もかなり劣化しているだろうが、様ざまな制約の中での成功である。しかし、これはスタートラインに立っただけで、本番の探査はこれから。多くの研究成果がもたらされることを期待して、今後のニュースを楽しみにしよう。
JAXAでは、「あかつき」の1週間前に小惑星探査機「はやぶさ2」の地球スイングバイというのもあった。昨年12月に打ち上げた「はやぶさ2」が地球に近づくので、地球の引力と公転運動を利用して、燃料をあまり使わずに軌道変更や加速して小惑星に向かわせるのだという。「重力アシスト」とか「重力ターン」などとも言うらしい。
自慢にはならないが頭の構造が単純なので、地球スイングバイはハンマー投げと同じように思える。宇宙船の窓から眺めれば、地球が室伏選手で「はやぶさ」はハンマーだ。ぐるぐる回って反動をつけ、小惑星に向けて放擲するようなものだろう。
宇宙船といえば、国際宇宙ステーションから宇宙飛行士の油井亀美也さんが無事に地球に帰還したのも先週だ。このようにみると、グローバル化にどのように対応するかといったスケールの小さな話ではなくなってくる。小惑星からすると地球の衛星である月などはきわめて至近距離。人間が月面に初めて着陸したのが1969年で、これまでに12人が月面に立っている。
ところで月面着陸に成功するには、満月の日にロケットを発射するのが良いということをご存じだろうか? 的が大きい方が当たる確率が高いからである!?
こんなくだらないことばかり考えながら今年1年が過ぎようとしている。来年はもう少し生産的な年にしよう。
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