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2016年1月

2016年1月25日

バス事故

 また貸切バスが大きな事故を起こした。この事故を受けて、国交省と警視庁が東京・新宿の都庁近くで、夜間に出発するツアーバスの抜き打ち監査をした。その結果、監査をした6台中の5台で何らかの違反があった。監査に参加した1人に監査の2日後に会ったら、違反が常態化しているとしか思えない、と話していた。

 貸切バスは規制緩和後の15年間に2倍近い約4500社に増えた。東京商工リサーチが、同社の企業データベースを基に一般貸切旅客自動車運送事業者を分析している。それによると、従業員数10名未満が31.31%、10名以上30名未満が31.14%で、30名以下の企業が60%強を占める。売上高でも1億円未満が33.76%、1億円以上5億円未満が42.49%で、売上高5億円以下が約4分の3という状況だ。企業規模が小さいことも、ツアー会社や斡旋会社に対して弱い立場にある1因だ。

 軽井沢町で起きたスキーツアーバス事故の4日後に、A県B郡C町のトラック運送事業者を取材で訪ねた。C町は人口が約2万人で、D県やE県と隣接している中山間地である。偶然なのだが、同社はバスとタクシーも行っている。それぞれ別法人にしているが、経営者は同じで本社も同じ事務所にある。そこで、バス事故についての雑談になった。

 今回の事故を起こした会社では、本来26万円の運賃を19万円で請けていたと報道されている。ところが、仮に帳簿上では26万円になっていても、斡旋会社に紹介料としてバックして実質は19万円以下といった「抜け道」もあるようだ。それでも監査では帳簿上が26万円になっていれば、それ以上は調べられないという。縦割り行政もその1因のようだ。道路運送法や旅客自動車運送事業運輸規則などは国交省自動車局旅客課、旅行業法は観光庁、労働基準法は厚労省である。

 なぜ一般道路を走っていたのかという疑問もある。これは推測になるが、1運行いくらという実質的には請負制賃金になっていたことも考えられる。1運行ごとの定額賃金で、高速料金は運転手の自己負担なら、高速料金を浮かすために一般道を走ることもある。あるいは個人ではなく会社として、運賃が安いために高速を使わず一般道を走るように指示した可能性もあり得る。

 運転手が2人とも亡くなったのでバス会社の社長は内心ホッとしているかも知れない、と国交省のあるキャリア官僚が呟いた。どのような指示をしていたかを本人たちの口から直接聞くことができなくなったからである。

2016年1月18日

ワクワク、ドキドキ

 今夏の高校野球選手権のキャッチフレーズコンクールで「ワクワク、ドキドキ甲子園」がグランプリに選ばれた。大阪の高校1年の女生徒の作のようだ。

 プロ野球にしろ高校野球にしろテレビで野球中継を観ることはほとんどない。もっぱらスポーツニュースで観るぐらいだ。しかし、夏の甲子園のキャッチフレーズには毎年関心を持っていた。というのは、毎年の入場曲もそうだが、それぞれの時代を反映しているように思うからである。だが、今年のワクワク、ドキドキは近年になく良いと思った。飾り気がなく、素直な気持ちがそのまま表現されているからだ。入選したいといった思惑からの技巧がなく、高校生らしい純真な気持ちが伝わってくる。

 昨年12月に、大リーガーのイチロー選手がイチロー杯争奪学童軟式野球大会の閉会式で、少年球児たちに〈目がキラキラしているのがいい。大人になるほどギラギラしてくる〉、といった主旨の話をしたという。ネットで知って、なるほど! 大人になると濁音になるか。簡潔で分かりやすい言葉で、物事の本質を突いている。一芸に秀でた人は流石だなと感心したことを思い出した。ワクワク、ドキドキとの共通点を感じたからだ。

 今回のキャッチフレーズに限らず、各種のコンクールに応募される作品の多くは、良くいえば入選するための努力がなされている。しかし、悪くいえば打算が働いているということになる。まず、コンテストの主催者が何を求めているのか。そして選考委員の顔ぶれから判断して、どのような傾向の作品が好まれ、入選しやすいか。いわば入選するための傾向と対策に沿った作品を制作する。それが悪いわけではない。たいていは、そのような要領の良い生き方のできる人が勝ち組にはいる世の中なのだから、処世術としては仕方がないともいえる。だが、何か味気ない。

 若いころは損得に関係なく、素直に自分を表現できた。それが年齢とともに、有利か不利か、損か得か、儲かるか儲からないかなど、処世で表現を使い分けるようになってくる。キラキラが濁音のギラギラになるとは実に的確な表現といえる。

 想えば様ざまなことにワクワク、ドキドキしたような若い時代もあった。もう一度あのころに戻って、今年はワクワク、ドキドキするような1年にしたいものだ。

2016年1月11日

精神的疲労

 東京・小金井市で路線バスがアパートに突っ込んだ。回送中で乗客を乗せておらず、通行中の車や歩行者などにも被害がなかったのは幸いである。ドライブレコーダーに記録されていた運転中のドライバーの映像では、突然、心神喪失したようにみえる。乗務前の点呼では、本人から健康状態についての異常申告はなかったという。今回のケースに限らず、大手のバス会社なら労働時間の管理や健康チェックなど法令を順守しているものと思われる。だが、最近は同じような事故が全国的に増加しているようだ。

 小金井市で事故が起きた前日、中野駅からバスに乗った。バスは前乗り、後降りで、乗車時に料金を払う。発車寸前に中年の女性が1人乗ってきた。会話の内容までは分からないが、料金支払いで何か要領を得ないようで運転手がいろいろ説明している様子だ。バスの運転手は30歳前後の若い人だったが、それでも丁寧に応対しているので感心した。発車予定時刻より遅れているのは明らかで、これが途中の停留所でなくて良かったと思いながらみていた。停留所の条件によっては、後続の車に迷惑をかけるかも知れないからだ。

 やっとバスが発車した。すると、信号が赤に変わる直前なのに、アクセルを踏み込んで交差点を通過しようとするような運転を続けた。出発時刻の遅れを取り戻そうという心理が伝わるような運転だ。職業がら、そんな風に解釈してしまうのだが、ドライバーの心理も分からないわけではない。

 勤務時間の管理や健康面でのチェックなどがなされていても、運転中の心神喪失などによる事故が増えている背景には、精神的負担の増加があるのではないだろうか。医学的な関係は分からないが、最近はメンタル面でのケアの重要性が増していると思う。

 改正労働安全衛生法により、昨年12月から従業員数が50人以上の事業所ではストレスチェックの実施が義務づけられた。バスのドライバーの精神的な疲労もそうだが、トラックのドライバーも携帯端末などの操作や配達指定時間の厳守など、精神的負担が多くなっている。これはドライバーだけではなく、日本人全体にいえることだが、ドライバーの場合は交通事故などに直結する可能性があるので、社会的な注目が集まりやすい。

2016年1月 4日

「爆歩き」と「爆当り」

 12月31日、1月1日と3日は、それぞれ3時間以上歩いた。4、5年前までは、高尾山に登って陣馬峠や相模湖に抜けたり、御岳山に登って奥多摩まで歩いたりと、年に数回は1日5、6時間も歩くことがあった。だが最近はほとんどなく、とくに昨年は体を動かす機会がなかった。そこで年末年始に集中的に歩くことにしたのである。流行語になった「爆買い」ならぬ「爆歩き」だ。

 しばらく運動をしていないので平地を歩くことにした。それでも3時間以上も歩き続けると、さすがに足腰がつかれる。だが、それでも筋肉痛にはならないので、まだまだ大丈夫と自信を持った。今年はできるだけ山歩きをしようと思う。

 1月2日は車で出かけたので、ほとんど歩いていないが、ある商業施設のインショップで年賀用の商品を買ったら良いことがあった。店員さんがレシートを渡しながら、「あそこで抽選をしているので、レシートを見せれば1回できますからどうぞ」といって、数メートル先の抽選コーナーを指さした。「どうせ当たらないから」と言ったら、「いや、当たるかもしれませんよ」と勧めてくれる。

 抽選コーナーには数人が並んで順番待ちしていたが、せっかくだからガラガラ・ポンをやってみた。すると黒い球が出てきたのであれ、と思ったら、若い女性の人が「わぁ、当りました。おめでとうございます」という。隣の中年の男性が、「一番良い賞がでました」といって景品をくれた。そこで、先ほど購入した店に戻り「ありがとう。本当に当たっちゃいました」とお礼をいったら、店員さんと責任者と思しき人と2人で「良かったですね」と言ってくれた。

 景品は「ニンテンドー3DSLLパールホワイト」だ。夜、家に戻ってから、孫たちを連れて帰ってきていた長女に聞いたら、ネット通販などで1万9000円ぐらいしているらしい。孫にやろうかと言ったら、まだ早い(幼い)から、「お父さん自分で遊びなよ」という。小さなうちから、あまりゲームをさせたくないというニュアンスもあったので、自分で使うことにした。

 「今年1年分のツキを全部使っちゃったんじゃない」と家族みんなから言われたが、いやいや、そうじゃない! これは、今年が「爆当り」の年になるという、ほんの僅かな予兆に過ぎないのである。

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