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2016年4月 4日

既成政治への反発

 最近は、ちょっとした会合(懇親会)などに行くと、アメリカ大統領予備選挙が話題に上ることが珍しくない。アメリカの大統領が誰になるかは、日本にも影響を及ぼす。したがって、これまでも身近な人たちとの間で話題にはなったが、たいていは大統領が決まってからのことである。ところが今回は、民主、共和両党が大統領候補者を選ぶ予備選挙の最中なのに、自分も含め身近な人たちの関心を集めているのが特徴的だ。

 話題の中心はドナルド・トランプ氏である。センセーショナルな発言で注目され、日本の新聞やテレビなどでも大きく取り上げるのだから、我われ日本人の関心もおのずと高まるのは当然かもしれない。

 共和党の「本流」のひとたちは、トランプ氏がこのまま候補者になるのを何としてでも阻止したいと考えているようだ。トランプ氏は共和党内でも異端児なのだろう。異質という点では民主党のバーニー・サンダース氏も同様である。

 トランプ氏やサンダース氏が予備選挙で健闘している背景には、アメリカ社会における格差拡大と、それに対する不満と反発があるのではないだろうか。これはアメリカだけではない。ISなどをはじめ世界的な現象のようだ。日本でも同様に格差拡大が進行している。だが、格差に対する不満と反発があっても、卑劣なテロなどに走るのは絶対に許されない。それに対して選挙という形で不満が表れているのが、アメリカの大統領選挙予備選ではないかと思う。

 アメリカのエスタブリッシュメントはWASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)と言われる。WASP以外で大統領になった人は極めて少なく、その中でも知名度が高いのはジョンFケネディ氏(カトリック)だろう。今回の予備選挙では、エスタブリッシュメントの象徴のような共和党の候補者が苦戦している。民主党のヒラリー・クリントン氏もその1人である。

 これら伝統的な支配層への不満が、異端の候補者への支持につながっていると思う。このままいくと、誰がアメリカ大統領になるのか素人には予想できない。だが、アメリカの大統領は、世界に大きな影響力をもつ存在だ。日本の我われも無関係ではいられない。

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