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2016年7月18日

レジスタンス

 東京では参議院選挙に続いて都知事選挙である。多数の立候補者の中で有力候補は小池百合子氏、増田寛也氏、鳥越俊太郎氏の3人だろう。

 3人の中で最初に立候補を表明したのは小池氏だ。「崖から飛び降りる覚悟」というが、自民党への推薦依頼の提出と取り下げなど、自民党都連と何があったのか。裏の事情は分からないが、党本部ともいろいろな確執があるのではないかと思われる。

 一方、自民、公明の推薦を受けた増田寛也氏だが、特別区長会、市長会、町村長会有志からの出馬要請など、茶番と思ってニュースを観ていた。行政経験があるのは確かだが、岩手県知事だった3期12年の間に、6000億円余だった県公債費を1兆2000億円強に増やしたという実績? も報道されている。

 増田氏編著の「地方消滅」や「東京消滅」が売れているという。少子高齢化への対応は関心が高く、「消滅」というドラステックなタイトルも売れている理由だろう。だが、生活者の視点ではなく、行政効率化を追求する立場からの政策誘導と読んだ。

 最後に立候補を表明した鳥越俊太郎氏は、市民団体や野党4党推薦の統一候補である。有力な統一候補の1人だった古賀茂明氏は鳥越氏支持を表明。過去2回の都知事選に立候補して一定の得票を得ていた宇都宮健児氏も、票の拡散を防ぐために出馬を取りやめた。

 さらに「野党統一候補なら出馬」を表明していた石田純一氏も立候補しない。同氏は最初から、自分以外に野党統一候補が決まれば支持すると言っていた。同氏に対しては「売名行為」などといった揶揄もあるが、それは当てはまらない。安保法制に反対する国会前での抗議に参加してスピーチしたことも含めて、タレントとしての営業的打算からすればむしろ損失行為で、勇気ある行動だ。

 昨今の日本は多様性が否定される世の中になってきたと感じる。「俺に従うか従わないか」で2分し、従わない者にはレッテルを貼って排除する。そのような状況下では、排除される側の人たちは、従わない理由の違いを超えて手を結ばなければならない。久しぶりにレジスタンスという言葉を思い出した。

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