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2016年7月 4日

「集客」から「走店」へ

 最近は物流事業者による買物代行や移動販売などを取材している。「買物難民」や「買物弱者」といわれるが、「買物弱者」の解消には物流が不可欠だと思っているからだ。

 「買物弱者」は地方だけではなく、大都市にも存在するし、また、高齢者だけではなく若い人の中にも対象者はいる。さらに地方では、「生産弱者」や「販売弱者」をどうするかも考えなければならない。「生産弱者」や「販売弱者」と「買物弱者」を結び付ける仕組みをどのように構築するかが、地域活性化のカギになる。

 「販売弱者」や「生産弱者」の対局には、販売強者や生産強者も存在することになるが、販売強者も対応を迫られている。おそらく、従来のように「集客」に努力するだけでは進行しつつある市場縮小に対応できなくなるだろう。小さな店舗を分散的に出店したり、、移動販売や購入商品の宅配など、自ら消費者に接近していくことが必要になっている。

 小店舗の分散出店、移動販売、販売商品の宅配など、いずれにも物流が絡んでくる。購入商品を宅配することも店舗の延長と考えれば、消費者に向かって店舗が走るという見方もできる。つまり販売強者においても従来の「集客」努力から、なんらかの「走店」システムの構築へ、という流れが生じている(100%にはならないが)。

 このようなことから、「買物弱者」を解消するには物流が不可欠だ。物流事業者が主導権を取って「買物弱者」の解消に取り組む方法としては、買物代行や移動販売がある。だが、現状では採算性が低い。そこで、それらの仕組みに1人暮らしの高齢者の安否確認(自治体の福祉予算、離れて暮らす子息などとの契約)や、広報の配布(自治体の広報予算)など、非物品販売での付加価値をいかにつけるかが重要になってくる。当然、地域活性化とも関連する。

 これは物流の新ビジネスでもあり、しかも大手事業者に限らず、それぞれの地場の中小事業者にも可能だ。このような問題意識から物流事業者による買物代行や移動販売の取材を続けている。

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