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2016年7月11日

物騒な世界に

 バングラデシュの首都ダッカで、日本人が7人も殺害されるという痛ましいテロがあった。このテロでは、さらに日本人1人が負傷している。いずれもJICAの関係の仕事に従事していた人たちという。

 無念だったろうと思う。犠牲になられた方々にはご冥福をお祈りするしかない。それにしても、何とも表現しようのない気持ちだ。

 最近は、どこでテロが起きるか分からないような物騒な世の中になってきた、という思いはある。だが、遠い世界の出来事のような気がしていたことも、正直なところ否定できない。今回のように邦人の犠牲者が出ると、テロの危険を身近に実感する。

 バングラデシュのテロで邦人の犠牲者がでたために、ニュースの扱いとしては相対的に小さくなったが、バングラデシュに続いてイラクのバグダッドでも死者292人(その後増えているかもしれない)を出すテロがあった。負傷者を含めると多くの人たちが犠牲になった。規模からいっても、これは大変なことである。イラクではさらにバラドでも35人(同前)が亡くなるというテロがあった。

 残念なことに、いつ、どこで、どのようにテロを起こすかはテロリスト次第だ。それに対してテロを防ぐ側はあくまで受け身のため、完璧に阻止することは難しい。とくにソフトターゲットとなると、100%の防衛は不可能といっても良い。たとえば100のテロ計画に対して99を未然に防ぐことができたとしても、1を実行させてしまえば、大変な惨事になってしまう。実に悔しい限りだ。

 なぜ、このような物騒な世の中になってしまったのだろうか。ダッカのテロでは、実行犯はいずれも地元出身者のようだ。ホームグロウン・テロリストというらしい。これは、どこの国でもテロを実行しようと考えている不逞の輩が存在していることを表している。それにしても何がテロリストを生み出すのだろうか‥‥。

 一方では、世界的に右傾化の潮流が強まっている。ナショナリズムの台頭も世界的な現象のような気がする。それらと不可分ともいえるのが差別意識である。どうも、これら総てが関連しているような気がしてならない。

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