ラブ&ピース
グループアイズというクリエーターのグループが主催する作品展に行った。グループアイズは1988年にグラフィックデザイナーやイラストレーターなど10数人で結成し、毎年1回「Love & Peace展」と題する展覧会を開催している。今回で29回目を迎えた。
今回の出品者は18人だが、そのうちの2人のデザイナーが仕事などの関係で知り合いだ。そんなこともあって案内状をいただいたので顔出しをしたという次第である。
そのうちの1人は、20年以上の長きにわたってデザインなどをお願いしていたのだが、2年前に郷里の長野県に居を移した。現在は「晴耕雨読、自給自足の生活」をしながら、後任に経営を譲ったデザイン事務所が忙しい時には仕事を手伝うという羨ましいご身分である。長野に引っ越す前の一昨年10月上旬に赤坂で食事をして以来なので、ほぼ2年ぶりの再会だった。
会場であるスペース・ゼロギャラリーの近くの居酒屋で久しぶりに2時間ほど話をしたが、作品展に行ったのもそれが目的のようなもの。お互いに元気なことを確認できたのは良かった。だが確実に2年の歳月が流れ、お互いにそれだけ歳をとったことは否定できない。
また、この2年間に日本は政治の右傾化や財政的な危機、格差などが進行してきた。日本全体が子供や孫の世代に、大きな禍根を残すような方向に向かっている。そんな危機意識から、今年の「Love & Peace展」のテーマは「描いてみた 日本国憲法前文」だった。
出品者はグラフィックデザイナー、イラストレーター、陶芸家その他、多彩な表現者で、それぞれ専門分野の作品を展示した。したがって作品のジャンルも水彩画、パステル画、イラスト、ポスター、風刺画、絵本、陶芸、能面、染色など多岐にわたっている。
現在のようなご時世に、日本国憲法前文をそれぞれのジャンルで表現しようという意欲と勇気には敬意を表する。だが、このテーマをビジュアルに表現するのはなかなか難しいな、というのも率直な感想だった。
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