北国
今年は北海道の各地で大雨による被害が出ている。なかでも驚いたのは9月6日に利尻島で50年に1度の大雨となり、稚内市でも観測史上最多の降水量になったことだ。というのは、その前日の5日夕方に、稚内空港から千歳経由で羽田に帰ったばかりだったからである。市街地などに水があふれている映像にはびっくりした。
9月1日がさっぽろ芸文館、2日は北海道商科大学で日本物流学会の全国大会があった。翌3日の午前中は札幌市内で2人の社長と会い、昼から特急サロベツで稚内に向かった。6時間近い列車の旅である。名寄を過ぎたあたりから、あれっ、と思った。窓からぼんやり景色を観ていたのだが、茶色がかった葉っぱが少し目に入ったからだ。さらに北上し音威子府あたりになると、その割合が増えてきて、秋が近づいてくるのを感じた。
4日は日曜日なので、稚内フェリーターミナルから利尻島の鴛泊港に行って4時間ほど見学し、鴛泊港から礼文島の香深港に行ってやはり3時間ほど島内を回って稚内に帰る計画を立てた。ところが利尻島に着くと激しい雨で、ターミナルから1歩も出られそうにない。そこで、すぐに出港するフェリーで礼文島に行くことにした。礼文島は小雨だったのでタクシーで島内を少し見学し、早めに稚内のホテルに戻って、翌日の取材の準備をした。
5日の午前中は市内の運送会社を取材。帰りの飛行機は17時30発なのでその間、市内を回ることにした。ノシャップ岬からは利尻富士(利尻山)をかすかに見ることができた。できれば宗谷岬にも行きたかったのだが、バスの時間の関係で断念した。宗谷岬には間宮林蔵の銅像があるはず。間宮林蔵は同郷の偉人で、旧伊奈町(現つくばみらい市)には墓(専称寺)や記念館がある。今度来た時には必ず宗谷岬にまで足を延ばすことにしようと思った。
それにしても氷雪の門や北防波堤ドームなどには、この地で生きてきた人たちの歴史が感じられた。中央アーケード通りはシャッターの下りている店も多かったが、店名などロシア語が併記してあり、最北の街を実感した。
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