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2016年11月28日

マイナンバー

 マイナンバーという言葉を初めて聞いた時、最初は自動車のご当地ナンバーをもっと細かくしたものかと錯覚した。笑い話のようだが、本当に誤解したのである。真っ先に自動車のナンバーを発想するのは仕事熱心なゆえと弁解しておこう。

 だが、内容を知ると、なんだ! 国民総背番号じゃないか、ということが分かった。そこで、ほったらかしにしておいた。個人情報の一元管理など、行政にとっては都合が良いだろうが、自分には関係ない。むしろ犯罪などの被害に遭うリスクも高まる。また、面倒くさいということもあった。

 ところが、どうしてもマイナンバーを発行してもらわなければならなくなった。原稿料や講演料は会社にではなく、ほとんどが個人に直接支払われる。出版社やセミナー主催者、エージェントなどが源泉税を引いて、手取額を個人口座に振り込んでくる(なかには現金支払いもある)。

 そんなことで、支払い側からすると税務処理などの事務手続き上、マイナンバーが必要なので、何カ所からか登録してくれという要請があった。これには対応せざるを得ない。ということで面倒だがマイナンバーを発行してもらった次第である。

 マイナンバー制度が導入されると、昼間は会社勤めをしていて、夜は副業で繁華街で働く女性が減少するので、飲食店や風俗店では人が不足するのではないか、といった話もあった。実際にどうかは知らないが、確かに副業が会社に分かってしまう。就業規則に違反するというケースもあるだろうし、怪しげな店で働いているのがバレてしまう、といったこともあるだろう。

 一方、違法に社会福祉関係の給付を受けたりするのを防ぐような面があることも否定できない。だが、脱税などの防止に実効性があるとは思えない。現在の制度でも徹底すれば脱税などをかなり防げるはずである。マイナンバー制度が導入されても、結局、高額所得者などには実質的な効果が期待できず、庶民には徹底されるということになるだろう。

 さらに近い将来、国民番号で召集令状がくるような社会にならなければ良いが‥‥。

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