平穏だが不透明
日本列島は北東から南西に長い。そのため地域によって天候も様ざまなので一概には言えないが、首都圏では年明けからの約1週間は天候に恵まれ、おおむね平穏な新年のスタートになった。
だが、新聞やテレビなどで報道されている各分野の専門家の今年の予測や、大企業の経営者の新年のあいさつなどからは、どうも今年の見通しがよく理解できない。すでにこの間、案内をいただいた業界関係の新年賀詞交歓会にも顔を出したが、そこでの挨拶などを聞いていても、やはり今年がどのような年になるのかが予測できないのである。たいていは毎年、年初になんとなく今年はこんなふうになりそうだというイメージが自分なりにわくのだが、今年に限っては皆目わからず不透明だ。
1990年前後からこの間を振り返ると、東西南北とも関係が大きく変わった。東西関係では経済的には西側のメカニズムが東側にもかなり浸透してきた。また、南北関係も国家単位でみると経済面での格差が縮まってきている。だが、東西南北ともそれぞれの国内では格差が拡大しているように感じる。そこで各国とも内政に対する不満が蓄積しているのではないかと思う。
ところが、歴史の流れに逆行するような政治勢力が、この不満を支持に結びつけているのではないだろうか。格差などに対する不満が解消できるかのような幻想が支配的になってきているような気がする。その先頭を進んでいるのが我が日本だが、世界的にも影響力の大きい欧米のいくつかの国でも、同じような流れになってきている。それらの国で今年は選挙を控えていて、どのような結果になるかが分からない。どうもこのあたりに不透明感の理由があるようだ。早く幻覚から覚醒して「ミネルバの梟」(ヘーゲル)にならないことを願いたい。
物流業界も同様で、不透明感が強い。このような時には原点に帰って忠実に原理原則に徹することが重要だ。自分個人でいえば、今年はかなり忙しくなりそうなのだが、そんなときこそ自分がよって立つ基盤を見失わずに、しっかりと足をつけて歩くことを心掛けなければならない。
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