春がくる
先週は月火水と沖縄、金土と福岡に行ってきた。沖縄は約4年ぶりで那覇、浦添、宜野湾を回った。久しぶりに首里城にも行ってきた。福岡は1泊したが、とんぼ返りのようなものだ。
先々週はテレビやラジオに追いかけまわされたが、先週もテレビ3局と週刊誌1誌から出張先に電話でのコメント依頼などがあった。問い合わせがあるということは、ありがたいことである。このようなマスコミの関心の高さに象徴されるように、宅配便の値上げと、ドライバーの労働条件改善の課題は出張先でも必ずといって良いほど話題に上った。一般社会の関心もさることながら、業界では運賃値上げと労働条件の改善は焦眉の課題なのだから話題に上るのはもっともだ。
それにしても、ヤマト運輸の社会的影響力の高さには驚く。同社1社の動向が社会的関心事となり、トラック運送業界が業界を挙げて何かに取り組む以上に社会に与えるインパクトが大きいことが実感された。ともかく、これは大きな追い風である。ドライバーの労働条件の改善とその原資の確保としての運賃値上げは、社会的に好意的に受け止められている。これは異常な状況を正常に戻すチャンスである。この機を逃さずに、果敢に取引条件の改善に努めるべきだ。
だが、話を聞いていると、自ら取引条件の改善を要請できないという事業者がいるのだという。これでは経営責任などとれやしない。結局、現場のドライバーにしわ寄せすることで経営を維持するという、悪しき体質から抜け出せない。抜け出そうともしない経営者が多いというのが現実である。行政や業界団体が何とかしてくれるのを待つ、という姿勢である。それでは企業が淘汰されても仕方がない。むしろ従業員にとっては、よりましな会社に転職できるので、その方が良いかもしれない。
ところで昨年9月12日に書いた「北国」では、札幌から稚内に向かう特急の窓から景色を見ていて、北上するにしたがって秋が近づいてくることを実感すると書いた。今回は沖縄ではワイシャツでも良いぐらい、福岡でもコートはいらなかった。南西の方から春が近づいてくることを感じた。業界にとっての「春一番」はヤマト運輸のニュースであろう。これを追い風にできるかどうかは各社自身にかかっている。
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